2019年3月28日木曜日

日刊サンコラム52:エアコンについて

常夏のハワイですが、それでも夏場は特に暑いですね。
壁や窓などは、きちんと遮光・断熱をして開口を大きくとり、
風が流れるようにデザインすればエアコンがなくても快適に過ごすことは可能ですが、
それが難しい場合にはエアコンに頼ることになります。
エアコンにも色々な種類があるので、ご紹介しましょう。

ポータブルエアコン

Portable AC

WalmartやCostcoでも普通に売られており、
工事や建築許可もいらず、最も簡単に設置ができます。
コンセントに繋いで、窓に排気用のダクトを設置するだけで利用できます。
通常の窓は四角形でダクトは円形のため、隙間を埋める作業が必要になりますが、
お父さんの日曜大工程度でなんとでもなる範囲内です。

温度を下げるとその分飽和蒸気圧が下がるため水が出てきます。
この水を排水するのは結構面倒なため、
機器内で処理してくれるものを選択することをお勧めします。

ウィンドーユニット

Window AC

ハワイのアパートや住宅でよく見られる、
窓枠にはめ込まれたエアコンです。

ポータブル同様、発熱源と冷却システム等すべてが一体化しているため工事は容易ですが、
エネルギー効率が悪く、騒音も酷いです。
また、窓枠との間に隙間ができると効率が非常に下がるので、
きちんと設置できる人にお願いしましょう。
さらに、外側には水が垂れてくるので、
コンドミニアムに設置の場合には周囲の迷惑にならないよう対処が必要です。

スプリットシステム

Split AC

日本の住宅で最もよく利用されているタイプのものです。
室外機と室内機に分かれており、室外機で水を冷却し、
その冷水を引き込んで室内の空気を冷やすシステムです。
発熱源は室外に設置することになるため、エネルギー効率がとても良いです。

設置難易度は上記二つに比べると高度で、本体価格も高値になりますが、
長期的な電気代を考慮すると安価で済むケースが多いです。

セントラルエアー

Central AC

主に商業施設や大型住宅で用いられるシステムで、
機械室で冷やした空気を各部屋に送ります。
スプリットシステムのように水を送るわけではなく、
空気をそのまま送るため、かなり大きなダクトが必要です。

機械室も同様に、大規模になり、
個々に機械設計も必要とするため初期費用は膨大ですが、
ランニングコストを抑えたり、建物全体を一元管理ができる利点があります。

日刊サンコラム52:エアコンについて


2019年3月14日木曜日

日刊サンコラム51:外壁の仕上げについて

今回は、一般住宅の外壁の素材について簡単にご紹介致します。

外壁は、住宅にとって言わば衣服のようなものです。
気候や好みに合ったものを選ぶことで快適かつ満足のいく建物になります。
もちろん、素材によって価格が高かったり、耐久性も変わってきます。
服と大きく異なる点は、簡単に交換できない(着替えられない)ことです。
素材によっては後から色を変えたりはできますが、
建物の生涯そのまま同じ素材を利用し続けるのが主ですので、
慎重に決断する必要があります。

Horizontal Lap Siding

Horizontal Lap Siding

ハワイで最も採用されている仕上げ材です。
横に細長い木やアルミ、樹脂製プラスチック、セメントを重ねていくものです。
横方向に線が入っている外壁がコレです。
特にこだわりがなければ、このサイディングを勧められるケースが多いと思います。

一般的な家のデザインにとても適しています。価格は素材によって幅が広く、
1平方フィートあたり樹脂製プラスチックで$4~$6、セメント等で$5~$8程度です。

Board and Batten

Board and Batten

上記のサイディングととても似ていますが、
縦に重ねていくのではなく横に並べていく工法です。
木材かセメントが主流で、地方では最も安価な工法として多用されていました。
現在では、価格帯はサイディングとほぼ変わりません。縦方向に線が入っているため、
建物の高さを強調したい場合などにとても適しています。

Stucco

Stucco

上記二つの次によく採用されている工法です。
日本でいう漆喰仕上げになります。

自然素材を用いた漆喰は、外壁が呼吸する(湿度が高いときには水を吸収し
、低いときには発散する)ため、住環境改善にも一役買います。
ただ、1平方フィートあたり$10~と高価なため、
人口的な材料で施工することのほうが多いです。
仕上げは細かいものや粗いもの、また引きずり模様をつけたりできます。
和風もしくは地中海風の建物に採用するケースが多いです。

Panels

Panels

セメント等で作成した4~8フィート四方ほどのパネルを並べる工法です。
少し現代的、もしくは商業的な見た目になります。
ホノルルではInspirationの建物等、商業施設で多用されており、
耐久性が高いですが、1平方フィートあたり$8~と高価です。

その他にも石や鉄板、レンガなどの工法がありますが、
ハワイの住宅では採用されることはまずありません。

また、どれか一つだけを選ぶ必要はなく、
建物のデザインに合わせて部分的に外壁の仕上げを変えるととても独創的な家に仕上がるので、
デザインをあれこれ考えるのも楽しいかもしれませんね。

日刊サンコラム51:外壁の仕上げについて