2015年10月3日土曜日

日刊サンコラム7:アスベストについて

アスベストって何?

毎週このコラムを読んで下さっている方から「アスベスト」について
書いてほしいとリクエストを頂いたきましたのでお応えしたいと思います。

アスベストは日本語で「石綿」と書き、英語ではasbestosと呼ばれています。
世界中で大きな問題となったので、
30代より上の年代では聞いたことがある方も多いかと思います。

断熱性、耐熱性、絶縁性など非常に多くの利点を持つ鉱物とされ、
長年あらゆる建材に使用されてきました。
吹き付けるだけで燃えにくく、熱しにくい材料になるわけですから、
当時は夢のような材料だったわけで、急速に世界中で流通しました。

アスベスト吹きつけ
構造体に吹き付けられたアスベスト
 
残念ながら後にアスベストに発がん性があるということが発覚し、
今現在では世界中で使用が禁じられています

アスベストの危険度

アスベストは肺がんを引き起こす原因となる恐れがあります。
濃度にもよりますが、非喫煙者と比べ喫煙者の発がん性リスクは、
アスベスト暴露によるもののおよそ倍と言われています。

喫煙の約半分のリスクと聞くと、そこまで深刻に思えないかもしれませんが、
日常的にアスベストを吹き付けていた職人さん達は、
かなりの量を吸い込んでいたことが予想され、被害者の数は膨大です。

ハワイの建物にアスベストはあるのか

1980年代以前に建てられたアパートやコンドミニアムには
すべて含まれているといっても過言ではありません。

床や壁、天井、断熱材や構造体のいずれかには利用されているでしょう。
ただし、アスベストというのは安定した状態では害はないのです。
空気中に飛散したものを吸い込むことにより発がん性リスクが上がりますが、
通常そのようなことは起こりません。
日常生活で害のあるものではないので、自宅にアスベストがあるからといって、
過敏に心配する必要は一切ありません。

どのような時が危険なのかというと、解体時です。
解体する際にアスベストが空気中に飛散することが多いので、
吸い込むことは避けなければなりません。
そのような工事の際には、
アスベストの取り扱いを専門とする業者に委託することが法律で定められています。

解体時の写真
解体時におけるアスベスト飛散


増築・改築をお考えの場合にも、是非建築士にご相談下さい。
アスベストが飛散する可能性を考慮し、
工事で触れる部分については予め除去するなどの対策が必要となるからです。
また、そうした工事の際に細心の注意を払うことは、
住民の方や作業員の健康と安全を守るためでもあるのです。

日刊サンコラム7:アスベストについて
日刊サン 2015年8月12日掲載

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