建築士になるには
今週は少し趣向を変えて、
建築士になるにはどうしたら良いのかということについてご紹介したいと思います。
日本では、木造の住宅や小規模な鉄筋コンクリート造などの建物の設計
及び工事監理をすることができる二級建築士と、
それ以外の大規模な建物も設計できる一級建築士とに分かれています。
アメリカでは、そのような区別はされておらず、
Architect(建築士)の資格があればどのような建物も設計する権利があり、
また、資格がない場合には有資格者の管理下で設計をする必要があります。
必要な学位
資格をとるためには、まず大学(ほとんどの場合大学院)を卒業し、
NAAB(全米建築課程認定委員会)に認定されたプログラム
(B.Arch, M.Arch, D.Arch)のいずれかの学位を取得する必要があります。
現在日本には、一校もNAABに認定された学位が取得できるところはありません。
ただ、通常よりも長めにインターンとして働くことで、同等な権利を得ることができます。
ちなみにハワイでは、唯一ハワイ大学マノア校に認定された学位があり、
7年間のプログラムになっています。
インターンシップ
最低2年間(通常3年以上)のインターン経験が必要となります。
ただただ設計事務所で勤務していれば良いというわけではなく、
NCARB(建築家登録委員の評議会)に逐一報告する義務があり、
また規定に沿った万遍ない業務を経験する必要があります。
例えば、2年間ずっと模型作りをしていたとしても、
それはインターンのほんの一部しか経験をしていないという扱いになり、
その他見積もりや施工図面作成なども経験しない限り、
一生インターンシップを終えることができません。
色々な業務に携われるかどうかは就労している設計事務所の理解が大きく必要となります。
筆記試験
7年程度で学位を取得し、3年前後かけてインターンを終えて、
ようやく建築士試験の受験ができるようになります。
試験は合計7つあり、個々に選択問題と作図に分かれています。
それぞれ5時間前後要する試験を7つすべて合格する必要があります。
これら3つ(学位・インターン・試験)をすべてクリアして、
晴れてArchitectと名乗ることができるようになり、また業務をする権利が得られます。
州ごとに若干決まりが異なる点があり、
カリフォルニア州は追加でもう一つ試験を受験する必要があります。
ただ、それ以外は基本的に全米どこででも建築士の免許を取得することができます。
とても長い道のりに聞こえるかもしれませんが、
安全かつ快適な建築物を建てるにはたくさんの知識や経験を要するので仕方がないのかもしれません。
ただ、最もやりがいのある職種の一つだと思いますので、
もし志したいと思う方がいれば喜んでご相談に乗ります!
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