ハワイの電気
ハワイには原子力発電所がありません。再生可能エネルギーも活発に導入・開発がされていますが、
未だに8割は石油もしくは石炭による火力発電に頼っているのが現状です。
ハワイの発電所 |
それらの化石燃料はハワイではとれないため、
遠方地からはるばる運ばれてきます。
そのため、私達の電気代は非常に高くなってしまいます。
HECOによると1kw・時間あたり、約$0.34を平均しているようです。
ピンとこないかもしれませんが、これは全米で最も高く、
2位のニューヨークの$0.16と比較すると倍以上の値段です。
さらに全米平均の$0.10の3倍以上ということからも、
ハワイの電気代の高さはご理解頂けると思います。
この高額な電気代を削減するために私達は常日頃から色々と工夫していますが、
今回は大幅に削減できるソーラーパネルについて是非ご紹介したいと思います。
ソーラーパネルの種類
ソーラーパネルは大きく二つに分類されます。太陽のエネルギーを電気に変換する太陽光発電システムと、
太陽の熱を利用して水を温める太陽熱温水器です。
太陽光発電システム |
太陽熱温水器 |
ソーラーパネルというと、電気を生み出す前者をまず思い浮かべる方が多いかもしれませんが、
実は太陽光発電システムは効率が悪く、エネルギーの変換効率はわずか10~20%程度です。
それに比べて、太陽熱温水器の方は50~60%と効率良く利用できるため、
電気でお湯を沸かすという用途に限れば、
こちらの方が断然太陽エネルギーを有効利用できるということです。
太陽熱温水器の仕組み |
水を電気で温めているから非効率で高い
太陽熱温水器は日本でも70~80年代にとても流行りましたが今ではあまり見かけません。これには様々な理由がありますが、一番大きいのは瞬間湯沸かし器の存在だと思います。
日本ではほとんどガスで水を温めているため、
比較的安価に、かつ瞬間的にお湯を沸かすことができます。
ハワイではガスの普及率が非常に低いため、大半のご家庭でWater Heaterが設置され、
電気で24時間タンク内の水を温め続けています。
このことが高額な電気代に拍車をかけているわけです。
こんなに年中暖かい土地に住んでいて、
毎日のように水を温め続けるためにお金と貴重な資源を使うなんてもったいないと思いませんか?
タンクの水を屋根に設置した太陽熱温水器に循環させて、
太陽熱で温めてあげれば飛躍的に電気代は削減できます。
どのぐらい節約できるのか、設置費用はいくらか
太陽熱温水器を設置すれば年間最大40%の電気代が節約できるといわれています。4人家族のご家庭であれば、最低でも年に$600の節約ができます。
また、新築住宅に関しては州法で設置を義務付けられているほど、ハワイでは評価されています。
ソーラーパネル内を循環する水の重量を支えるため、既存住宅への設置の場合、
屋根の補強が必要となることもありますが、
ソーラーパネル単体は州・国の税額控除や$1,000分のRebate(割引)も受けられ、
実質$2,000程度で購入できます。
節約される電気代を考慮すれば、約3年で投資の元が取れるので、
まだ設置されていない一軒家オーナーの方はご検討されてみてはいかがでしょうか。
日刊サン 2015年7月1日掲載 |
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