2019年12月4日水曜日

日刊サンコラム61:ハワイに適した日よけ対策

最近一気に涼しくなってきたハワイですが、それでもやはり常夏というだけあり、
日本と比べると年中暖かいです。
建物も日本と同じように建ててしまっては快適な住環境・労働環境を構築することはできません。
今回はどのような日よけ対策をすればハワイで快適な環境をつくることができるのか紹介していきます。

近年流行のガラス張りタワマンは快適か


皆さんご存知の通り、カカアコを中心として現在高層タワーマンションが数多く建設されています。
私のお客様でもご購入された方は何人もいらっしゃるのですが、
セントラルエアコンをつけていれば快適だが、
消して窓を開けるだけだと日中すごく暑いという話を良く耳にします。

本来、皆様ご存知の通りハワイはとても快適な気候に恵まれています。
公園の木陰に座れば涼しい風が吹いてとても気持ちが良いです。
建物の中の方が快適なハズなのですが、なかなかそうもいきません。
近年の高層コンドミニアムは床から天井までガラス張りで、日よけが全くされていないため、
直射日光が部屋に入ってきます。
コーナーユニットであれば良いですが、一面しか窓がなく風通りも悪いと、
日光により徐々に室内が暖められていき、その熱を外に逃がすことができません。
もちろんエアコンをつければ良いのですが、あまりお好きでない方もいらっしゃるかと思います。


カカアコの高層コンドミニアム

直射日光を室内に入れない工夫が必要

日よけというと屋根や庇(ひさし)のイメージが強いと思いますが、
実は方位によっては全く意味がありません。
太陽は東からのぼり、夏場は頭上を通り、冬場は南側から西に降りていきます。
どれほど長い屋根を設置しようと、
東からは朝日が、西からは夕日が真横から室内に入ってきます。
これを防止するには、縦方向のルーバーが最も効果的です。
Punchbowl沿いにあるDepartment of Transportation Servicesの建物がとても良い例です。
西向きに建っておりますが、夕日を遮るように建物全体にルーバーがかかっています。

Department of Transportation Services


また、逆に南側は屋根や庇が非常に効果的です。
上階にラナイを設置することもとても実用的かつ有効的です。
Ala MoanaにあるPark Laneはその点を良く理解した良いコンドミニアムだと思います。
大半の住居が南向きで、ラナイが大きく南側にせり出しており直射日光を防いでいます。

アラモアナのパークレーン

高層コンドミニアムの場合にはデザイン性や景色を重視するため、
日よけ対策を最優先することはなかなか難しいのですが、
一軒家等の低層建築の場合にはわりと簡単な方法で実現することができます。
木陰にいれば日中でもとても快適なハワイですから、
エアコンがなくても快適な住環境を実現することは当然可能ですので、
お悩みの方は建築士に一度相談されてみてはいかがでしょうか。

日刊サンコラム61:ハワイに適した日よけ対策

2019年10月23日水曜日

日刊サンコラム60:最近話題となった巨大住宅について

ローカルニュースをご覧の方は、
今年10月に話題となった超巨大な住宅についてご存知かもしれません。

Houghtailing Street(リリハ地区)で29部屋の寝室、
17個のバスルームを含んだ住宅が大きな問題として取り上げられました。
3階建てのアパートにしか見えないのですが、
建築許可申請上はtwo-family detached dwelling(2軒の戸建て住宅)となっています。
二家族で住むことができる住宅ですが、
一部を貸し出したり切り売りしたりすることは禁じられています。
しかし近隣住民は、本来の用途ではなく違法に複数の家族に貸し出すのではないかと
大いに反対活動をしていました。


ニュースで取り上げられたMonster House

建築基準法を満たしていれば問題はない


こちらの住宅は、家の中の二部屋を倉庫として申請しましたが、
実際の工事では寝室にしてしまったことで違反がありました。
しかし、それはそこまで大きな問題ではなく、
全体としては全くの合法的な建物となります。
 当然建築許可も下りていますし、きちんと正式なプロセスは踏んでいます。
また、同オーナーがカリヒに同様な巨大住宅を建築しました。
6階建てに見えるその住宅は20部屋の寝室、16個のバスルームを含んでいます。
こちらも建築としては特に現在の法律では問題になりません。
あくまで「建築としては」です。
各部屋を別の世帯に貸し出すとなると大きな問題となります。

近隣の景観・環境は損なわれる


巨大な建築が建つとその建物がとても浮いて目立ち、
閑静な住宅街のイメージが損なわれてしまいます。
また、大勢の人が住みだすと交通渋滞を招くだけでなく路上駐車も困難になります。
近隣のイメージダウンとなり、地価が下がるといったことにも繋がりかねません。

ホノルル市もこのような事態を深刻に受け止める一方で、
カイムキ地区などは今後成長していくべき地域として
規制緩和を継続していく方向であるとも明言しています。

今のところ住宅の規模に関する規制は一切ないので、
今後このような住宅が数多く建築されると何らかの規制が引かれる可能性は多いにあります。
ただ、一方では住宅の不足が深刻化するホノルルで街の成長を妨げるような規制は引きたくないという事情もあり、
とても慎重になっているようです。





注:2019年10月現在ではすでに法規制が行われています。
建蔽率の制限やバスルームの数の制限等が出来、このようなモンスターハウスは施工できなくなりました。

2019年10月9日水曜日

日刊サンコラム59:防火対策について


モイリイリのアラワイ運河沿いにあるマルコポーロの火災は
未だ記憶に新しいと思います。
コンドミニアムのスプリンクラーの有無が少し話題にもなったかと思います。
以前は高層コンドミニアムでスプリンクラーが義務付けられておらず
それが原因で被害がかなり拡大されたと考えられています。

また、最新の建築でも一軒家にはスプリンクラーがついていません。
どのような基準でこれらの事柄が決まっているか今回は少しご紹介します。


Construction Typeが各建物により定まっている

 建物の用途と規模によってConstruction Typeというものが決まります。
この区別で必要な防火対策が定まっていきます。
Type I~Vと5つあり、Iが最も厳しくVが緩いです。
建物の規模が大きくなればなるほど様々なリスクや被害が増えるとして、
防火対策を厳重にしなければならなくなります。

高層コンドミニアムは最もハイリスクとして、Iにカテゴライズされます。
建材はすべて不燃性のものでなければならず、
構法も木造は認められない等の制限が出てきます。
一軒家の住宅はVに分類され、駐車場を除きほぼ防火対策をする義務がありません。

基準は人命と近隣


 これらの分類及び防火性能は、
火事が起きた際にその建物の中の人が無事に脱出するまでの
時間稼ぎができるかどうかということと、
近隣に火が燃え移り、被害が拡大しないかどうかといったことが基準となっています。
よって、マンションであれば隣の住居との間に耐火壁が必要となり、
万が一火事になったとしても最低2時間は隣に火が燃え移らないように、
またその間に消火もできるかなどを念頭に設計しなければなりません。
被害エリアが最小限に抑えられれば消火活動も速やかに行うことができます。

あくまで必要最低限の防火対策である


 これらの事柄はアメリカの建築基準法で定まっている必要最低限の防火対策であり、
建築士は一般的にそれ以上の防火対策は行いません。
防火対策は万が一のときにはとても助かりますが、同時にコストがかさみますので、
人命が救助できれば良いという最低限の基準しか満たす義務がありません。
更に対策を万全にされたい方は、
例えば一軒家であってもスプリンクラーをつける等の処置も十分可能ですので、
建築士に一度相談されてみてはいかがでしょうか。




日刊サンコラム59:防火対策について


2019年8月12日月曜日

日刊サンコラム58:WELL Buildingについて

快適な労働環境を構築するために2014年にWELLという認証プログラムが開始されました。

人々は、90%もの時間を建物の中で過ごしています。
その建物の可動性、空気の質、食事、そして職場でのストレスというのは
人々の健康に多大な影響を与えます。
その事実を受け、広義での健康を維持できる建物であるかどうかを検証し、
認証するのがWELLなのです。

建物の認証プログラムというと、
LEEDというものをご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、
LEEDは住環境や地球環境に特化しているので別物ですが、
プロセス等はとても良く似ています。
LEED AP同様、WELLにも専門の資格であるWELL APというものが存在します。

WELLとは何か


主に職場環境の改善を目的としてInternational Well Building Institute (IWBI)という機関が始めた制度です。
医師や科学者等の専門家を交え、建物のデザイン、環境、健康、行動について
7年以上にもわたって研究されて、7つのカテゴリーに分けて分析されました。
そのカテゴリーはAir(空気)、Water(水)、 Nourishment(栄養)、Light(光)、
Fitness(運動)Comfort(快適性)そしてMind(精神)となります。

WELLの種類


認証プログラムは三種類に分かれており、
新築及び既存の建物、新築及び既存の内装、そしてコアシェル構造になります。
要件を満たすごとにポイントを得ることができ、
一定以上になるとシルバー、ゴールド、プラチナと高いランクの認証を受けることができます。
Well Buildingの認証の種類


何のためのプログラムか


こういった認証プログラムは、設計者にとって多大な負担になります。
100個近い要件をそれぞれ見直し、
一つでも多く得られるように検証及びデザイン変更を何度も何度も繰り返す必要があります。
そのため、設計料も高くなります。

ただ、このプロセスこそがこのプログラムの本質です。
デザインや利便性、効率のみに着目して設計するのではなく、
建物で働く労働者の環境や健康を考え、
デザインを改善していくことで労働者が健康になり、
仕事の効率が上がり、業績も向上することを目的としています。

また、会社がWELLの認定を受けているということで、
その会社は従業員の健康を重んじているとしてイメージアップにも繋がることが予想されます。
まだまだ発足して間もない制度ですが、
だからこそ会社のブランドイメージ向上も兼ねて一足先に採用してみてはいかがでしょうか。
日刊サンコラム58:WELL Buildingについて

2019年7月29日月曜日

日刊サンコラム57:侵食・土砂管理についての新しい法令が施行

今年(2018年)8月よりホノルル市では建築許可申請の際に
新たにErosion and Sediment Control Planというものが必要になりました。
新たな制度の意義や、今後建築を改修・増築・新築する際に
どのように影響を及ぼすのか簡単にご説明致します。

土砂が流れないように計画・監視が必要


本制度は工事中及び工事後に敷地内の土が外に(下水に)流れていかないように計画し、
有資格者が工事中は計画通りに遂行されているか
30日に1回観察及び記録をしなければならなくなりました。

基礎を打つ際に敷地の土を掘り起こしますが、
その土をそのまま放置していると雨風で舞ってしまい、
道路や近隣に流れていってしまいます。
そのようなことを防ぐために、きちんと土は敷地内にとどまるようにフェンスを立てたり、
カバーをしたり、植栽を植えて安定させたりする必要があります。
Erosion Control

土壌に少しでも触れるような工事はすべて必要*


室内のみの改築以外はすべて影響すると考えて問題ないと思います。
フェンスを立てるだけでも、柱を一本追加するだけでも本制度は適用されます。
低いフェンスの設置や小規模なランドスケープを施す場合等、
建築許可が必要ないようなほんの小さな工事でも土砂管理の計画をしなければなりません。
基本的に建築士がすべて行う業務となりますが、
1 acreを超えるような大規模な土壌改善となると土木技師が行う必要がでてきます。
かなり手間のかかる作業となりますので、
今後の設計料は少し値段が上がることが予想されます。


*2019年3月より変更され、120sqft未満の工事であれば免除されることになりました


環境を考えると非常に大事


ハワイの建築はただでさえとても高いのに、
さらにお金も手間もかかる制度が追加されました。

ただ、これは環境問題を考えるととても有意義な制度です。
ハワイに大雨が降ると大量の土砂が海に流れてしまい、
空から見ると島の周り全体が茶色く濁るそうです。


この土砂には車のオイルや薬品等、様々な汚染物質が含まれており、
それらが海に流れ出てしまうことによる環境汚染は計り知れません
土砂を下水や海に流さないことによって海をキレイなままで保てことは
長期的な視線で見るととても有意義な制度だと思います。



日刊サンコラム57:侵食・土砂管理についての新しい法令が施行

2019年6月21日金曜日

日刊サンコラム56:建築許可にかかる所要時間について

建物を新築、増減築、改築する際に不可欠な過程であり、
かつ大きなネックとなりうる建築許可を取得するまでの所要時間についてご紹介します。
ホノルル市役所は深刻な人員不足に直面しており、
認可が下りるまでに非常に時間がかかってしまいます。

建築許可

まだお金が貯まっていないから1年貯めて来年から計画しよう…と考えていると、
完成するのは今から3年後ということにもなりかねません。
とても長いプロセスですので、予め知っておくと無駄な時間を過ごすことなく計画的に行動することができるでしょう。

新築か改築か、また商業施設かで大きく異なる


建築の規模でももちろん認可が下りるまでの所要時間は変わるのですが、
新築なのか改築(増減築)なのか、
また住宅なのか商業施設かでも大きく変わってきます。
まず最短は住宅の改築です。
時期にもよりますが、1~4ヶ月程度でおりる場合がほとんどです。
その間にコントラクターを探したり、冷蔵庫や洗濯機を探したりできるので、
期間的にもちょうど良い具合になります。

ただ、改築であっても商業施設の場合は別です。
役所内では住宅と別のルートを辿ることになるので、
特に何も問題がなかった場合で半年ぐらいは覚悟した方が良いです。

ちなみに、商業施設というのはレストランやリテール、オフィスはもちろんですが、
3軒以上の繋がった住宅も該当します。
よって、アパートやコンドミニアムの改築も含まれるということなので注意が必要です。

コンドミニアムも商業施設扱い


新築の場合、ホノルル市ではePlanというオンラインのシステムを利用しなければなりません。
紙面ベースではなくコンピュータを用いた許可申請プロセスのため、
そのシステムを利用できる役人が少ないのか、非常に時間がかかります。
こちらは今現在最低でも1年はかかると思っていただいた方が良いと思います。
そんなに待てないという方は、
Third Party Reviewerと呼ばれる民間の認可を受けた企業に別料金でレビューをしてもらい、
期間を短縮することができます。

Neighborhood、AOAOの認可も必要

コンドミニアムであれば、その管理者からの認可も必要となり、
認可がおりなければ着工することができません。
また、ワイキキやダイアモンドヘッド、チャイナタウンといったSpecial Design District内の物件では、
外観のデザインレビューが通常の建築許可に加えて行われるため、
通常よりも時間と手間がかかってしまいます。

建築許可が下りる前に工事をすることは可能*

ホノルル市もあまりに許可に時間がかかることは良く理解しており、
その打開策として許可が下りる前に工事をすることを認めています。
早めに工事を始めたければCourtesy inspectionというものを申請し、
認可されれば許可が下りずとも工事をし、
工事途中で行われなければならないInspection(検査)も受けることができます。  
*2019年1月よりこちらの制度についてはなくなってしまいました。
すべての工事において建築許可がおりてからでないと行うことはできません。

一般的な例を挙げましたが、建築は個々に大きくことなりますので、
具体的なことはきちんと建築士までご相談下さい。

日刊サンコラム56:建築許可にかかる所要時間について

2019年6月7日金曜日

日刊サンコラム55:エレベーターについて

今回は様々なエレベーターについてご紹介致します。
高齢化に伴い、バリアフリーの住宅をお考えの方も多いと思います。
また、大規模建築の計画の際にエレベーターは必須です。
一言にエレベーターと言っても種類があり、
それぞれ利点・欠点があるので選定には注意が必要です。

油圧式エレベーター(Hydraulic Elevator)


カハラモール駐車場のエレベーター

最も安価なエレベーターの種類です。
最下層にピストンを設置し、その部分に油を注入していくことで圧力を上げ、
油圧をもって貨物・人を上階に運ぶシステムです。
油圧を利用しているため、最高で8階程度までしか持ち上げることが難しいうえ、
速度も遅いことが大きな欠点です。
また、稀にその油が漏れてしまう事故が起き、
その際の清掃及び修理は大変ですが、
特に何もなければメンテナンスは非常に安価で済みます。

ただ、ランニングコスト(電気代)は他のものに比べて高いと言えるでしょう。
身近な例ですと、カハラモールの駐車場のエレベーターが
こちらのタイプを採用しています。

トラクション式エレベーター(Traction Elevator)

プリンスホテルのエレベーター

ロープで箱を吊るし、最上階上部に滑車・モーターを置き、
反対側には錘でバランスを保っています。
錘があることによって、少ないエネルギーで上下することが可能になっています。
また、滑車部分にギアを配備することで、
モーターの回転数以上に速度を出すことができ、
現段階で最も早く安定した運行をすることができます。

ただ、ロープや滑車の点検は定期的にする必要があり、
メンテナンスコストは高いですし、
イニシャルコストも油圧エレベーターに比べると高くなります。
超高層ビルの場合にはロープをカーボンファイバー製にすることで耐久性を増す等、
色々と工夫が施されています。

機械室がないエレベーター


油圧式エレベーターは最下階の下に、
逆にトラクション式は最上階の上に機械室が必要となります。
高さ制限がある場合や、地下を掘るのが困難な場合には採用が難しいでしょう。
そのような場合にはエレベーターシャフトの側部に機械室を設置できるタイプのものがあります。
トラクション式とイニシャル・ランニングコストは大して変わりませんが、
エネルギー効率はこちらの方が良い傾向があります。
移動スピードはギアのあるものに比べると劣りますが、
油圧式エレベーターの倍ぐらいの速度を出すことが可能です。
エレベーターシャフトの中にモーターが配置されるため、
建築基準法で危険と判断された経緯があり、その結果普及はあまりされていませんが、
今では安全に利用することができ、
中層ビル(250フィート程度)に設置することがお勧めです。

日刊サンコラム55:エレベーターについて

2019年4月25日木曜日

日刊サンコラム54:用途変更をする場合の注意点

先日不動産屋さんから用途変更に関する質問を頂いたので、
主な注意点についてご紹介致します。

その土地を所有しているからといって自由に用途を変更できるわけではなく
様々な視点から変更できるか確認しなくてはならないため十分な注意が必要です。

ゾーニングが認めているかどうか


まずはその土地のゾーニングが何かを調べることから始まります。
住宅地はかなり用途が限られてきますが、
カカアコやワイキキといったMix Useのゾーニングであれば様々な業種に変更することができます。
これは大きく分けて、申請なしで認めている場合要認可の場合認めれられない場合の3種類に分けられます。

建物のオーナー、管理組合が許可しているかどうか

コンドミニアム1階にあるレストラン

オフィスやコンドミニアム等、建物の中の一部を用途変更することはもちろん可能です。
例えば1階のリテールをレストランにするといったことです。
建物の決まりとして認めていないのであればそれを曲げるのは難しいでしょう。
月例ミーティングでプレゼンテーションをして、
その場で多数決をとり認めるかどうかを決める建物が大多数です。

建築的に可能かどうか


特にレストランに変更する場合には細心の注意が必要です。
換気ダクトやグリーストラップ(油水分離阻集器)を新設しなければならず、
そのスペースがあるかどうかが肝になってきます。
また、営業するにあたって隣接するトイレが必要な場合も多く、
上水下水が近くまできていない場合にはかなり大規模な工事を要され、
実質不可能になる場合があるので注意が必要です。

駐車場の数は足りているか


用途によって要求される駐車場の数は変わってきます。
例えば居住目的の場合には、600sqftまでの広さに対して駐車場が1つ必要ですが、
デイケアの場合には350sqftにつき1つ必要です。
これは個々のテナントにいくつ駐車場がついているかではなく、
建物全体の必要数に対し同敷地内にいくつ駐車場があるのかという計算になるため、
同じ建物内で貸し出している駐車場を月極で契約をして使える駐車場を増やしたとしても問題解決にはなりません。

その他にも異なる用途同士を遮る壁は防火壁でなければならない等の細かな決まりがいくつもありますので、
用途変更する前提で不動産を契約される際には決める前に一度建築士に相談されることをお勧めします。

日刊サンコラム54:用途変更をする場合の注意点

2019年4月11日木曜日

日刊サンコラム53:歴史的建造物として自宅を登録

日本と比べると、ハワイは古い建物がとても多いと感じる方は多いのではないでしょうか。
実際、築50年以上の建物も多く、一軒家やコンドミニアム、
商業施設と多種多様の古い建物が街中に存在しています。
その背景としては、根底に不動産の査定方法があります。

日本では、築年数で建物の価値が自動的に下がってしまいますが、
ハワイではきちんとメンテナンスされていれば下がるどころか、
どんどん値段が上がっていきます。
そのため、建物を大切に使い、また積極的に改修工事を行う傾向があります。

その結果、古い建物が取り壊されることなく、多数が健在する街並みが見られるのです。モノを大切に使うというのはサスティナビリティの基本であり、とても素晴らしいことです。

築50年から歴史的建造物扱い


ホノルル市の規定によると築50年以上の建築物は歴史的建造物という扱いになり、
改築・増築時に専門の部署に許可申請をする必要があります。
これには、歴史的価値のある建物を保護する目的があるのです。
特に改築を妨げるような働きをする部署ではなく、
無自覚に歴史的価値のあるものを壊さないようにすることを目的としています。

Historic Siteに登録

イオラニ宮殿

もし、ご自身がお持ちの建物が歴史的に価値があるものであれば
National Registerに登録をすることができます。
建物のデザインや構法が昔のものであるとか、
昔のコミュニティーの様子を表している等、明確なものからとても曖昧なものまで幅広くあります。

例えば、街並みでいえばハレイワの建物群といったものや、
個別の建物であればイオラニ宮殿が代表的かと思いますが、
その他にもマノアの一軒家等、一見それほど特徴がなさそうなものまで登録されています。

もし登録をすると、固定資産税(Property Tax)がほぼなくなる(数十ドル程度)という大きなメリットがあります。
また、現状を維持するための修繕に助成金が出やすかったりします。
デメリットとしては改築や増築が少し面倒かもしれないということです。
改築をする際に再度審査を受け、登録解除となるのか否か等の協議を行う必要がありますが、
登録したからといって今後改築できないわけではないので、
もし適合する可能性があれば是非挑戦してみてはいかがでしょうか。

日刊サンコラム53:歴史的建造物として自宅を登録

2019年3月28日木曜日

日刊サンコラム52:エアコンについて

常夏のハワイですが、それでも夏場は特に暑いですね。
壁や窓などは、きちんと遮光・断熱をして開口を大きくとり、
風が流れるようにデザインすればエアコンがなくても快適に過ごすことは可能ですが、
それが難しい場合にはエアコンに頼ることになります。
エアコンにも色々な種類があるので、ご紹介しましょう。

ポータブルエアコン

Portable AC

WalmartやCostcoでも普通に売られており、
工事や建築許可もいらず、最も簡単に設置ができます。
コンセントに繋いで、窓に排気用のダクトを設置するだけで利用できます。
通常の窓は四角形でダクトは円形のため、隙間を埋める作業が必要になりますが、
お父さんの日曜大工程度でなんとでもなる範囲内です。

温度を下げるとその分飽和蒸気圧が下がるため水が出てきます。
この水を排水するのは結構面倒なため、
機器内で処理してくれるものを選択することをお勧めします。

ウィンドーユニット

Window AC

ハワイのアパートや住宅でよく見られる、
窓枠にはめ込まれたエアコンです。

ポータブル同様、発熱源と冷却システム等すべてが一体化しているため工事は容易ですが、
エネルギー効率が悪く、騒音も酷いです。
また、窓枠との間に隙間ができると効率が非常に下がるので、
きちんと設置できる人にお願いしましょう。
さらに、外側には水が垂れてくるので、
コンドミニアムに設置の場合には周囲の迷惑にならないよう対処が必要です。

スプリットシステム

Split AC

日本の住宅で最もよく利用されているタイプのものです。
室外機と室内機に分かれており、室外機で水を冷却し、
その冷水を引き込んで室内の空気を冷やすシステムです。
発熱源は室外に設置することになるため、エネルギー効率がとても良いです。

設置難易度は上記二つに比べると高度で、本体価格も高値になりますが、
長期的な電気代を考慮すると安価で済むケースが多いです。

セントラルエアー

Central AC

主に商業施設や大型住宅で用いられるシステムで、
機械室で冷やした空気を各部屋に送ります。
スプリットシステムのように水を送るわけではなく、
空気をそのまま送るため、かなり大きなダクトが必要です。

機械室も同様に、大規模になり、
個々に機械設計も必要とするため初期費用は膨大ですが、
ランニングコストを抑えたり、建物全体を一元管理ができる利点があります。

日刊サンコラム52:エアコンについて


2019年3月14日木曜日

日刊サンコラム51:外壁の仕上げについて

今回は、一般住宅の外壁の素材について簡単にご紹介致します。

外壁は、住宅にとって言わば衣服のようなものです。
気候や好みに合ったものを選ぶことで快適かつ満足のいく建物になります。
もちろん、素材によって価格が高かったり、耐久性も変わってきます。
服と大きく異なる点は、簡単に交換できない(着替えられない)ことです。
素材によっては後から色を変えたりはできますが、
建物の生涯そのまま同じ素材を利用し続けるのが主ですので、
慎重に決断する必要があります。

Horizontal Lap Siding

Horizontal Lap Siding

ハワイで最も採用されている仕上げ材です。
横に細長い木やアルミ、樹脂製プラスチック、セメントを重ねていくものです。
横方向に線が入っている外壁がコレです。
特にこだわりがなければ、このサイディングを勧められるケースが多いと思います。

一般的な家のデザインにとても適しています。価格は素材によって幅が広く、
1平方フィートあたり樹脂製プラスチックで$4~$6、セメント等で$5~$8程度です。

Board and Batten

Board and Batten

上記のサイディングととても似ていますが、
縦に重ねていくのではなく横に並べていく工法です。
木材かセメントが主流で、地方では最も安価な工法として多用されていました。
現在では、価格帯はサイディングとほぼ変わりません。縦方向に線が入っているため、
建物の高さを強調したい場合などにとても適しています。

Stucco

Stucco

上記二つの次によく採用されている工法です。
日本でいう漆喰仕上げになります。

自然素材を用いた漆喰は、外壁が呼吸する(湿度が高いときには水を吸収し
、低いときには発散する)ため、住環境改善にも一役買います。
ただ、1平方フィートあたり$10~と高価なため、
人口的な材料で施工することのほうが多いです。
仕上げは細かいものや粗いもの、また引きずり模様をつけたりできます。
和風もしくは地中海風の建物に採用するケースが多いです。

Panels

Panels

セメント等で作成した4~8フィート四方ほどのパネルを並べる工法です。
少し現代的、もしくは商業的な見た目になります。
ホノルルではInspirationの建物等、商業施設で多用されており、
耐久性が高いですが、1平方フィートあたり$8~と高価です。

その他にも石や鉄板、レンガなどの工法がありますが、
ハワイの住宅では採用されることはまずありません。

また、どれか一つだけを選ぶ必要はなく、
建物のデザインに合わせて部分的に外壁の仕上げを変えるととても独創的な家に仕上がるので、
デザインをあれこれ考えるのも楽しいかもしれませんね。

日刊サンコラム51:外壁の仕上げについて


2019年2月28日木曜日

日刊サンコラム50:住居の一部を賃貸できる制度(ADU)について2

前回に引き続き、すでに所有している持ち家を活用して、
その一部で賃貸収入を得ることができるADUという制度についてお話します。

ハワイの地価向上に伴って近年導入された制度で、
より多くの賃貸物件を確保することを目的に制定されました。
適用条件も緩く、ほぼすべての一軒家で実現できるのでとてもお勧めです。

規定以上に大きく見せることが可能


通常ADUは敷地面積が3,500 sqft以上であれば最大400 sqftまで、
5,000 sqft以上であれば800 sqftまで、新たに追加の部屋を増築することができます。

400 sqftといえば小さ目のStudioのサイズですが、
それでもキッチンやランドリーも建設できるため副収入の期待ができます。

また、デッキをつくり、Trellisと呼ばれる格子状の日よけを併設することもできます。
このデッキ部分については規定の面積に計上されないため、
より多くの面積を確保することができ、ゆったりとした生活空間が作れるのです。

Trellisのデッキ

オハナからADUに変更ができる


すでにオハナという制度を利用し、二世帯住宅をお持ちの方は、
オハナからADUに変更することができます。

オハナでは、地主と血縁関係のある人のみ居住することが許されていますが、
ADUに変更すれば血縁を問わず誰にでも貸し出すごとができるので、収入も得られます。

また、増築や申請の費用はADUを貸し出した副収入から税金控除を受けられるので、
実質ほとんど出費もなく工事することも可能です。
ただ、バケーションレンタルといった短期滞在者向けには貸せず、
最低6カ月のリース契約が必要となりますのでご注意下さい。

老後も安心


母屋に住み、離れをADUとして貸し出すのが一般的ですが、
逆に母屋を貸し出すことも可能です。

失業や怪我、病気、またリタイヤをすること等により
収入が激減した場合の保険として用意しておけば、
万が一のときにも大きな固定収入を得られる安心感は大きいと思います。

工夫次第では、空き部屋を利用してほとんど建設をせずに
今の住宅を改築するだけで賃貸物件を用意することができます。
もしくは、使っていない裏庭があれば、そのスペースに新たに建設し、
副収入でローンを返済していくといった方法も有意義かもしれませんね。

もしご興味がおありの方は建築士に相談してみてはいかがでしょうか。

日刊サンコラム50:住居の一部を賃貸できる制度(ADU)について2

2019年2月14日木曜日

日刊サンコラム49:住居の一部を賃貸できる制度(ADU)について

できることなら不動産投資がしてみたいと思う方は多いかと思います。
例えば、カカアコの新築コンドミニアムを
投資目的で購入するのはハードルが高いですが、
すでに所有している持ち家を活用し、その一部で賃貸収入を得ることができます。
今回はその制度であるADU(Accessory Dwelling Unit)についてご紹介致します。

Accessory Dwelling Unit

敷地面積が3,500 sqft以上であれば可能


細かな規定はありますが、
通常ADUは敷地面積が3,500 sqft以上であれば最大400 sqftまで、
5,000 sqft以上であれば800 sqftまで、新たに追加の部屋を増築することができます。

800 sqftもあれば楽々と2 Bedroomの部屋は作れます。
ご自宅のエリアにもよりますが、かなりの副収入となるのは間違いないでしょう。

オハナとは違う


昔からハワイではオハナという制度があります。
一つの敷地に対して、二つの家を建設することができる制度ですが、
これは二世帯住宅のみを想定しており、
地主と血縁関係のある人のみ居住することが許されています。

その他、一軒家の一部屋だけを貸し出したりすることは
違法となりますので十分ご注意下さい。
家を丸ごと貸し出すか、
ADUの許可を得て貸すかしか現在の法律では認められていません。

大規模な工事は不要


現在必要十分な家の広さがあれば、ADUとして敷地内に別途家を建設する必要はありません。
もちろん、プライバシーの問題からも、
離れである方が賃貸としては魅力的かと思いますが、
予算や敷地面積の都合上難しい場合もあるでしょう。

現在の家を改築をし、新たに玄関やキッチンを作り、
母屋との間仕切りを用意するだけでADUとして成立するケースも非常に多いです。

敷地に余裕がある場合や、使っていない部屋がある方は、
一度建築士にご相談されてみてはいかがでしょうか。

日刊サンコラム49:住居の一部を賃貸できる制度(ADU)について

2019年1月31日木曜日

日刊サンコラム48:建築の用途変更について2

先週は、建物の用途変更についてご紹介しました。
ゾーニングによって希望の建築用途に変更できるのかが決まっており、
変更する際にも特に申請が必要がない場合と申請を要する場合があります。
申請をするには指定の書類を提出するとともに、近隣への説明会を開く必要があります。

つい先日、私が今請け負っているプロジェクトの許可申請のために
プレゼンテーションをする機会があったのでその経験をもとに紹介させて頂きます。

住民は近隣のことに強い関心を持っている


どの住宅街にもNeighborhood Boardといった
日本でいう町内会のようなものがあります。
そこでは近隣住民が毎月1回程度集まり、近所のトラブルや問題点、
また改善案等を提案、議論します。

警察官や消防隊員が訪れ、毎月のレポートを発表したりと、
かなり本格的な話し合いが行われています。

また、議事録がとられるだけでなく、その様子が地元テレビで放送されたりもします。

東京等の大都市と比べると、ハワイの人々は近隣のことに関して非常に強い関心を持っていると思います。
毎日の利便性の向上や公害の予防はもちろんですが、
みんなで良い住宅街にしていこうといった考えが強くあるように感じました。

近隣説明会で発表しているときの様子

騒音・渋滞に関しては敏感


オアフ島中ほぼどこでも言えることですが、渋滞の問題は深刻です。
特に、朝の通勤ラッシュ時の交通の妨げになるような提案は、
やはり厳しく批判されます。

また、住宅街に近いところでバーやレストランを開く際には、
騒音問題も関係してきます。

家のすぐ近くで毎晩大音量の音楽を流されたらたまったもんじゃありません。
出来てから苦情を入れてももう遅い場合がほとんどです。
計画時に必ず説明会が開かれるので、
特に持ち家の方は参加されてみてはいかがでしょうか。

また、事業主の方は申請をする際に騒音渋滞を出来る限り抑える工夫を予めしておくと、
住民の方々の賛同を得やすいと言えるでしょう。

日刊サンコラム48:建築の用途変更について2

2019年1月17日木曜日

日刊サンコラム47:建築の用途変更について


今回は建物の用途変更についてご紹介します。
建物には、当然ですが、すべて用途が定められています
住宅やレストラン、リテール、オフィスといった具合です。

例えば、ホテルであればお客さんが寝泊まりする客室や、
レストラン、倉庫、オフィス等の複数の用途が一つの敷地に混在している場合もあります。

今回はそれらの用途の変更をする際の注意点及び手順について簡単にご紹介出来ればと思います。


ゾーニングによって、可能・不可能・要申請が定められている

ホノルルのゾーニングマップ


場所によっては希望する用途に変更できない場合があります。
例えば、住宅街の真ん中にレストランやバーがないのもそのためです。
また、ワイキキの真ん中にはたくさんのレストランがありますが、
これは逆に認可を申請する必要もなく容認されています。その中間の曖昧なところ、
もしくは近隣の環境に多大に影響を与える可能性がある場合では申請が必要になってきます。

申請には大小二種類ある


用途変更の申請には二種類あり、MajorMinorで分けられています。

Minorについては法規上明確に認可されているものに限り、
比較的簡単な手続きで2~3ヵ月の間に認可がおります。
ホノルル市の役人が認可を出し、近隣には通達をするだけに留まります。

ただし、Majorになると近隣のミーティング及びヒアリングが必要となり、
いかに用途変更が近隣に悪影響を与えないか、
むしろ環境向上に繋がることを説得できなければなりません。
とても時間と労力のかかるプロセスだといえます。

ただし、もし認可がおりれば、その一帯の地域で唯一の用途の建物になれる場合もあるため、
市場を独占できる可能性を秘めています。

申請に必要な書類


申請に必要な書類は二種類共に変わりありません。
アプリケーションフォーム、概要説明書、
近隣環境に与える影響についてまとめた書類、敷地写真と設計図面一式が必要です。

建築許可等のその他の付随する認可については、
用途変更が認定されてからようやく申請ができるようになります。
まずは、建築士に希望の土地で希望の用途に変更できるのかを調査してもらうことをお勧めします。

日刊サンコラム47:建築の用途変更について

2019年1月9日水曜日

日刊サンコラム46:様々な窓の種類について

今回は様々な窓の種類についてご紹介したいと思います。
窓には、見た目のデザイン性だけでなく、様々な機能や目的があります。

大きく分類すると、

1.太陽光を室内に取り入れること 
2.室内の空気を換気すること 
3.窓の外の景色を眺められるようにすること 


の三つでしょうか。
それぞれの窓で何をしたいのかを的確に考えることで最適な窓選びができます。

採光を重視したい場合


とにかく部屋を明るくしたいのであれば、天窓が最適です。
壁に設置する通常の窓に比べて、天窓は比べ物にならないほどに室内を明るくします。
天窓にも換気が出来るものから、
直径4インチほどの小さなチューブ状のものまで様々なものがあります。

天窓(はめ殺し)

チューブライト

注意点は、他の窓に比べてコストが高いことと、水漏れの心配があることです。
経年劣化に加え、通常の屋根と比べると設置に使用される部品も多いため、
その分水漏れのリスクも高いのです。
天窓以外で採光を重視するならば、単純に大きなサイズの窓を設置する、
はめ殺し窓(Picture)も良いでしょう。

換気を効率的にしたい場合


ハワイにおいて効率的に室内換気をすることは、
住環境を向上する上で大きな鍵となります。
ただし、ハワイは雨が多いのもまた事実です。
窓を開けっぱなしであることを忘れて、
室内がびしょびしょにならないように最初から窓の種類を考えることも大切です。

例えば、突出窓(Awning)は窓を開けたときに庇のようになるため、
横殴りの雨でない限りは室内に水が入ってくることはありません

Awning Window

また、空気の流れも考えてあげるととても効率が上がります。
室内に二つ以上窓を設置することで、風の入り口と出口を確保することができます。
できれば、複数の窓は対面もしくは対角線上に設置するとより効果があがります。

もう少しこだわると、空気というのは冷たいと下に、
暖かいと上にいくという傾向を念頭に置くと良いでしょう。
外から取り入れる涼しい空気は出来るだけ下の方からAwning窓で取り入れ、
室内の温まった空気は上の方で内倒し窓(Hopper)で出してあげるとさらに効率的になります。

その他の目的


実は、法規でも窓については細かく規定がされています。
部屋の面積につき最低10%の面積の大きさの採光ができる窓を設置する必要があります。
また、最低5%の開口部が必要になります。

自然光が室内に入らなかったり、
換気ができないと身体的・精神的に悪影響があるとの研究結果が多数出ており、
そのような粗悪な住環境を防ぎ、
私たちの健やかな生活を守るために法律として定められているのです。

また、寝室のみ、緊急時における脱出可能な窓の設置も義務付けられています。
よって、寝室には大きめの開き窓(Casement)や
引き違い窓(Sliding)等の出入りができるような窓を
設置する必要があることも知っておくと便利ですね。



日刊サンコラム46:様々な窓の種類について