今回は、不動産を買う際に気をつけないといけないことを
建築士の視点からいくつかご紹介させて頂きます。
建築申請の状況については必ず確認
建築許可の申請をせずに違法な工事をしている物件は、
多々見受けられるので十分な注意が必要です。
不動産取引の際でも、売主や買主のエージェントでさえ
違法であることを知らないケースが多く見受けられるので、
買い手側がきちんと調べて確認することが大切です。
Notice of Violation |
知らずに購入をすると、その責任は買い手側にうつります。
今度売りたいときに知識のある買い手に調べられ、
値引き交渉の大きな要因となるだけでなく、
許可申請されていない物件にはローンの審査がおりないものも多数あるので、
買い手の幅が狭まります。
代表的なのは米軍関係者用のローンで、こちらは物件への審査が厳しいです。
購入前に建築許可を取得していないことがわかれば、
購入後に認可を得るためにかかる費用を算出し、
その分の値引き交渉をするということも可能になります。
アスベストや鉛(lead)を含んだペンキがあるか注意
人体への悪影響が懸念され、アスベストは1973年に、
鉛を含んだペンキは1978年に、それぞれの使用が違法となりました。
ハワイにおいて築40年を超える物件では、これらが含まれている可能性が非常に高いのですが、
だからといって買わない方が良いというわけではありません。
アスベストが違法となった経緯としては、
施工していた業者の従業員が健康を害したことが発覚し、
それに伴ってその使用が禁じられることになったのです。
一旦施工され、乾いた状態では人体には影響はありません。
ただ、それらを撤去する際には、
再度空気中を舞うので必ず専門業者に依頼する必要があります。
ポップコーンシーリングの除去 |
よく見られるものはポップコーンシーリングですが、
壁や床材などに含まれていることも多々あります。
購入後、改築や増築等をする予定がある人は、
撤去する際に通常よりも少し手間とお金がかかってしまいます。
また、そのようなことを知っていれば、
売主との交渉にも使えるかもしれませんね。
反対に、売主側からの視点で見れば、
アスベストを撤去してから売りに出せば少し売りやすく、高値になるかもしれません。
日刊サンコラム72:不動産(中古物件)を買う際の注意点1 |