2015年10月23日金曜日

日刊サンコラム9:サスティナブルとは

サスティナブルとは

近年耳にすることが多くなってきたSustainable(サスティナブル)という単語。
グリーンだったり、エコとも呼ばれたりしますが、
意訳をすると「地球環境に考慮する」といった意味です。

建築において代表的なのがUSGBCが認定しているLEEDというシステム。
ハワイでもカカアコ地区がLEEDプラチナ認定を取得していたりと、
実は身近なものとなってきています。

USGBC LEED認定


また、最近スーパー等でビニール袋が全面的に廃止になり、
エコバッグの使用が強制になったり、
リーフやi3などの電気自動車も数多く街中で見かけるようになり、
生活の直接的な部分で関わってくることが増えてきました。

そのことにより、サスティナブルに関心のある人が徐々に増えてきたことは
本当に素晴らしいことだと思います。

複雑な地球環境


サスティナブルというのは実は複雑なコンセプトです。

環境に良さそうなものは世の中に溢れていますが、
本当に良いのかどうかは何をどういった角度で見るかによって変わってきます。

身近な例で見てみましょう。
皆さんご自宅でご飯を食べるときに食器を使って、洗って乾かして再利用しますよね。
この時の環境負荷は最初の食器を作る時に要するエネルギーと、
使用した水及び下水処理にかかるエネルギー、温風で乾かすのであれば、
その際要するエネルギーとなります。

食器洗い


また、紙皿を使ったらどうでしょう。
紙皿を作る時に要するエネルギーとゴミ処理するエネルギーになります。

紙皿


一般認識として前者の方がエネルギー消費量が少なそうですが、
ほとんどの場合紙皿の使い捨ての方が少ないです。
油汚れを含んだ水を処理するのには想像以上にエネルギーが必要となるからです。

ただ、地球環境はエネルギー消費量だけでは計れません。
ゴミ問題もまた深刻な問題の一つです。
紙皿を毎食捨てていたら膨大なゴミが発生してしまいます。

この観点から考えると圧倒的に食器を洗って再利用する方が良いのは明らかです。
このように見方を変えると結果が180度変わってしまうものが数多く存在するため、
「環境に良い」ことをするのは想像以上に難しいことなのです。

では、何をしたら良いのか


環境に良さそうなもの・行為でも、実はそれほど良くないことが多い中、どうしたら良いのか。
リサーチをするにも多方面からアプローチしなければならず、
専門知識がないとなかなか難しいでしょう。

そこで、最も有名かつわかりやすい法則が3Rです。
3RとはReuse, Reduce, Recycleのことで、
再利用する、利用する量を減らす、リサイクルするの三つです。

建築も同じです。出来る限り長く使い続けること。
必要最小限の大きさの建物にすること。
そして、建て直しの場合には、
より多くの建材をリサイクルすることが最も効果的かつわかりやすいサスティナブルの手法です。

また、これらの法則はお財布にも優しいので是非取り入れてみて下さい。


日刊サンコラム9:サスティナブルとは
日刊サン 2015年9月9日掲載

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