2019年4月11日木曜日

日刊サンコラム53:歴史的建造物として自宅を登録

日本と比べると、ハワイは古い建物がとても多いと感じる方は多いのではないでしょうか。
実際、築50年以上の建物も多く、一軒家やコンドミニアム、
商業施設と多種多様の古い建物が街中に存在しています。
その背景としては、根底に不動産の査定方法があります。

日本では、築年数で建物の価値が自動的に下がってしまいますが、
ハワイではきちんとメンテナンスされていれば下がるどころか、
どんどん値段が上がっていきます。
そのため、建物を大切に使い、また積極的に改修工事を行う傾向があります。

その結果、古い建物が取り壊されることなく、多数が健在する街並みが見られるのです。モノを大切に使うというのはサスティナビリティの基本であり、とても素晴らしいことです。

築50年から歴史的建造物扱い


ホノルル市の規定によると築50年以上の建築物は歴史的建造物という扱いになり、
改築・増築時に専門の部署に許可申請をする必要があります。
これには、歴史的価値のある建物を保護する目的があるのです。
特に改築を妨げるような働きをする部署ではなく、
無自覚に歴史的価値のあるものを壊さないようにすることを目的としています。

Historic Siteに登録

イオラニ宮殿

もし、ご自身がお持ちの建物が歴史的に価値があるものであれば
National Registerに登録をすることができます。
建物のデザインや構法が昔のものであるとか、
昔のコミュニティーの様子を表している等、明確なものからとても曖昧なものまで幅広くあります。

例えば、街並みでいえばハレイワの建物群といったものや、
個別の建物であればイオラニ宮殿が代表的かと思いますが、
その他にもマノアの一軒家等、一見それほど特徴がなさそうなものまで登録されています。

もし登録をすると、固定資産税(Property Tax)がほぼなくなる(数十ドル程度)という大きなメリットがあります。
また、現状を維持するための修繕に助成金が出やすかったりします。
デメリットとしては改築や増築が少し面倒かもしれないということです。
改築をする際に再度審査を受け、登録解除となるのか否か等の協議を行う必要がありますが、
登録したからといって今後改築できないわけではないので、
もし適合する可能性があれば是非挑戦してみてはいかがでしょうか。

日刊サンコラム53:歴史的建造物として自宅を登録

2019年3月28日木曜日

日刊サンコラム52:エアコンについて

常夏のハワイですが、それでも夏場は特に暑いですね。
壁や窓などは、きちんと遮光・断熱をして開口を大きくとり、
風が流れるようにデザインすればエアコンがなくても快適に過ごすことは可能ですが、
それが難しい場合にはエアコンに頼ることになります。
エアコンにも色々な種類があるので、ご紹介しましょう。

ポータブルエアコン

Portable AC

WalmartやCostcoでも普通に売られており、
工事や建築許可もいらず、最も簡単に設置ができます。
コンセントに繋いで、窓に排気用のダクトを設置するだけで利用できます。
通常の窓は四角形でダクトは円形のため、隙間を埋める作業が必要になりますが、
お父さんの日曜大工程度でなんとでもなる範囲内です。

温度を下げるとその分飽和蒸気圧が下がるため水が出てきます。
この水を排水するのは結構面倒なため、
機器内で処理してくれるものを選択することをお勧めします。

ウィンドーユニット

Window AC

ハワイのアパートや住宅でよく見られる、
窓枠にはめ込まれたエアコンです。

ポータブル同様、発熱源と冷却システム等すべてが一体化しているため工事は容易ですが、
エネルギー効率が悪く、騒音も酷いです。
また、窓枠との間に隙間ができると効率が非常に下がるので、
きちんと設置できる人にお願いしましょう。
さらに、外側には水が垂れてくるので、
コンドミニアムに設置の場合には周囲の迷惑にならないよう対処が必要です。

スプリットシステム

Split AC

日本の住宅で最もよく利用されているタイプのものです。
室外機と室内機に分かれており、室外機で水を冷却し、
その冷水を引き込んで室内の空気を冷やすシステムです。
発熱源は室外に設置することになるため、エネルギー効率がとても良いです。

設置難易度は上記二つに比べると高度で、本体価格も高値になりますが、
長期的な電気代を考慮すると安価で済むケースが多いです。

セントラルエアー

Central AC

主に商業施設や大型住宅で用いられるシステムで、
機械室で冷やした空気を各部屋に送ります。
スプリットシステムのように水を送るわけではなく、
空気をそのまま送るため、かなり大きなダクトが必要です。

機械室も同様に、大規模になり、
個々に機械設計も必要とするため初期費用は膨大ですが、
ランニングコストを抑えたり、建物全体を一元管理ができる利点があります。

日刊サンコラム52:エアコンについて


2019年3月14日木曜日

日刊サンコラム51:外壁の仕上げについて

今回は、一般住宅の外壁の素材について簡単にご紹介致します。

外壁は、住宅にとって言わば衣服のようなものです。
気候や好みに合ったものを選ぶことで快適かつ満足のいく建物になります。
もちろん、素材によって価格が高かったり、耐久性も変わってきます。
服と大きく異なる点は、簡単に交換できない(着替えられない)ことです。
素材によっては後から色を変えたりはできますが、
建物の生涯そのまま同じ素材を利用し続けるのが主ですので、
慎重に決断する必要があります。

Horizontal Lap Siding

Horizontal Lap Siding

ハワイで最も採用されている仕上げ材です。
横に細長い木やアルミ、樹脂製プラスチック、セメントを重ねていくものです。
横方向に線が入っている外壁がコレです。
特にこだわりがなければ、このサイディングを勧められるケースが多いと思います。

一般的な家のデザインにとても適しています。価格は素材によって幅が広く、
1平方フィートあたり樹脂製プラスチックで$4~$6、セメント等で$5~$8程度です。

Board and Batten

Board and Batten

上記のサイディングととても似ていますが、
縦に重ねていくのではなく横に並べていく工法です。
木材かセメントが主流で、地方では最も安価な工法として多用されていました。
現在では、価格帯はサイディングとほぼ変わりません。縦方向に線が入っているため、
建物の高さを強調したい場合などにとても適しています。

Stucco

Stucco

上記二つの次によく採用されている工法です。
日本でいう漆喰仕上げになります。

自然素材を用いた漆喰は、外壁が呼吸する(湿度が高いときには水を吸収し
、低いときには発散する)ため、住環境改善にも一役買います。
ただ、1平方フィートあたり$10~と高価なため、
人口的な材料で施工することのほうが多いです。
仕上げは細かいものや粗いもの、また引きずり模様をつけたりできます。
和風もしくは地中海風の建物に採用するケースが多いです。

Panels

Panels

セメント等で作成した4~8フィート四方ほどのパネルを並べる工法です。
少し現代的、もしくは商業的な見た目になります。
ホノルルではInspirationの建物等、商業施設で多用されており、
耐久性が高いですが、1平方フィートあたり$8~と高価です。

その他にも石や鉄板、レンガなどの工法がありますが、
ハワイの住宅では採用されることはまずありません。

また、どれか一つだけを選ぶ必要はなく、
建物のデザインに合わせて部分的に外壁の仕上げを変えるととても独創的な家に仕上がるので、
デザインをあれこれ考えるのも楽しいかもしれませんね。

日刊サンコラム51:外壁の仕上げについて


2019年2月28日木曜日

日刊サンコラム50:住居の一部を賃貸できる制度(ADU)について2

前回に引き続き、すでに所有している持ち家を活用して、
その一部で賃貸収入を得ることができるADUという制度についてお話します。

ハワイの地価向上に伴って近年導入された制度で、
より多くの賃貸物件を確保することを目的に制定されました。
適用条件も緩く、ほぼすべての一軒家で実現できるのでとてもお勧めです。

規定以上に大きく見せることが可能


通常ADUは敷地面積が3,500 sqft以上であれば最大400 sqftまで、
5,000 sqft以上であれば800 sqftまで、新たに追加の部屋を増築することができます。

400 sqftといえば小さ目のStudioのサイズですが、
それでもキッチンやランドリーも建設できるため副収入の期待ができます。

また、デッキをつくり、Trellisと呼ばれる格子状の日よけを併設することもできます。
このデッキ部分については規定の面積に計上されないため、
より多くの面積を確保することができ、ゆったりとした生活空間が作れるのです。

Trellisのデッキ

オハナからADUに変更ができる


すでにオハナという制度を利用し、二世帯住宅をお持ちの方は、
オハナからADUに変更することができます。

オハナでは、地主と血縁関係のある人のみ居住することが許されていますが、
ADUに変更すれば血縁を問わず誰にでも貸し出すごとができるので、収入も得られます。

また、増築や申請の費用はADUを貸し出した副収入から税金控除を受けられるので、
実質ほとんど出費もなく工事することも可能です。
ただ、バケーションレンタルといった短期滞在者向けには貸せず、
最低6カ月のリース契約が必要となりますのでご注意下さい。

老後も安心


母屋に住み、離れをADUとして貸し出すのが一般的ですが、
逆に母屋を貸し出すことも可能です。

失業や怪我、病気、またリタイヤをすること等により
収入が激減した場合の保険として用意しておけば、
万が一のときにも大きな固定収入を得られる安心感は大きいと思います。

工夫次第では、空き部屋を利用してほとんど建設をせずに
今の住宅を改築するだけで賃貸物件を用意することができます。
もしくは、使っていない裏庭があれば、そのスペースに新たに建設し、
副収入でローンを返済していくといった方法も有意義かもしれませんね。

もしご興味がおありの方は建築士に相談してみてはいかがでしょうか。

日刊サンコラム50:住居の一部を賃貸できる制度(ADU)について2

2019年2月14日木曜日

日刊サンコラム49:住居の一部を賃貸できる制度(ADU)について

できることなら不動産投資がしてみたいと思う方は多いかと思います。
例えば、カカアコの新築コンドミニアムを
投資目的で購入するのはハードルが高いですが、
すでに所有している持ち家を活用し、その一部で賃貸収入を得ることができます。
今回はその制度であるADU(Accessory Dwelling Unit)についてご紹介致します。

Accessory Dwelling Unit

敷地面積が3,500 sqft以上であれば可能


細かな規定はありますが、
通常ADUは敷地面積が3,500 sqft以上であれば最大400 sqftまで、
5,000 sqft以上であれば800 sqftまで、新たに追加の部屋を増築することができます。

800 sqftもあれば楽々と2 Bedroomの部屋は作れます。
ご自宅のエリアにもよりますが、かなりの副収入となるのは間違いないでしょう。

オハナとは違う


昔からハワイではオハナという制度があります。
一つの敷地に対して、二つの家を建設することができる制度ですが、
これは二世帯住宅のみを想定しており、
地主と血縁関係のある人のみ居住することが許されています。

その他、一軒家の一部屋だけを貸し出したりすることは
違法となりますので十分ご注意下さい。
家を丸ごと貸し出すか、
ADUの許可を得て貸すかしか現在の法律では認められていません。

大規模な工事は不要


現在必要十分な家の広さがあれば、ADUとして敷地内に別途家を建設する必要はありません。
もちろん、プライバシーの問題からも、
離れである方が賃貸としては魅力的かと思いますが、
予算や敷地面積の都合上難しい場合もあるでしょう。

現在の家を改築をし、新たに玄関やキッチンを作り、
母屋との間仕切りを用意するだけでADUとして成立するケースも非常に多いです。

敷地に余裕がある場合や、使っていない部屋がある方は、
一度建築士にご相談されてみてはいかがでしょうか。

日刊サンコラム49:住居の一部を賃貸できる制度(ADU)について

2019年1月31日木曜日

日刊サンコラム48:建築の用途変更について2

先週は、建物の用途変更についてご紹介しました。
ゾーニングによって希望の建築用途に変更できるのかが決まっており、
変更する際にも特に申請が必要がない場合と申請を要する場合があります。
申請をするには指定の書類を提出するとともに、近隣への説明会を開く必要があります。

つい先日、私が今請け負っているプロジェクトの許可申請のために
プレゼンテーションをする機会があったのでその経験をもとに紹介させて頂きます。

住民は近隣のことに強い関心を持っている


どの住宅街にもNeighborhood Boardといった
日本でいう町内会のようなものがあります。
そこでは近隣住民が毎月1回程度集まり、近所のトラブルや問題点、
また改善案等を提案、議論します。

警察官や消防隊員が訪れ、毎月のレポートを発表したりと、
かなり本格的な話し合いが行われています。

また、議事録がとられるだけでなく、その様子が地元テレビで放送されたりもします。

東京等の大都市と比べると、ハワイの人々は近隣のことに関して非常に強い関心を持っていると思います。
毎日の利便性の向上や公害の予防はもちろんですが、
みんなで良い住宅街にしていこうといった考えが強くあるように感じました。

近隣説明会で発表しているときの様子

騒音・渋滞に関しては敏感


オアフ島中ほぼどこでも言えることですが、渋滞の問題は深刻です。
特に、朝の通勤ラッシュ時の交通の妨げになるような提案は、
やはり厳しく批判されます。

また、住宅街に近いところでバーやレストランを開く際には、
騒音問題も関係してきます。

家のすぐ近くで毎晩大音量の音楽を流されたらたまったもんじゃありません。
出来てから苦情を入れてももう遅い場合がほとんどです。
計画時に必ず説明会が開かれるので、
特に持ち家の方は参加されてみてはいかがでしょうか。

また、事業主の方は申請をする際に騒音渋滞を出来る限り抑える工夫を予めしておくと、
住民の方々の賛同を得やすいと言えるでしょう。

日刊サンコラム48:建築の用途変更について2

2019年1月17日木曜日

日刊サンコラム47:建築の用途変更について


今回は建物の用途変更についてご紹介します。
建物には、当然ですが、すべて用途が定められています
住宅やレストラン、リテール、オフィスといった具合です。

例えば、ホテルであればお客さんが寝泊まりする客室や、
レストラン、倉庫、オフィス等の複数の用途が一つの敷地に混在している場合もあります。

今回はそれらの用途の変更をする際の注意点及び手順について簡単にご紹介出来ればと思います。


ゾーニングによって、可能・不可能・要申請が定められている

ホノルルのゾーニングマップ


場所によっては希望する用途に変更できない場合があります。
例えば、住宅街の真ん中にレストランやバーがないのもそのためです。
また、ワイキキの真ん中にはたくさんのレストランがありますが、
これは逆に認可を申請する必要もなく容認されています。その中間の曖昧なところ、
もしくは近隣の環境に多大に影響を与える可能性がある場合では申請が必要になってきます。

申請には大小二種類ある


用途変更の申請には二種類あり、MajorMinorで分けられています。

Minorについては法規上明確に認可されているものに限り、
比較的簡単な手続きで2~3ヵ月の間に認可がおります。
ホノルル市の役人が認可を出し、近隣には通達をするだけに留まります。

ただし、Majorになると近隣のミーティング及びヒアリングが必要となり、
いかに用途変更が近隣に悪影響を与えないか、
むしろ環境向上に繋がることを説得できなければなりません。
とても時間と労力のかかるプロセスだといえます。

ただし、もし認可がおりれば、その一帯の地域で唯一の用途の建物になれる場合もあるため、
市場を独占できる可能性を秘めています。

申請に必要な書類


申請に必要な書類は二種類共に変わりありません。
アプリケーションフォーム、概要説明書、
近隣環境に与える影響についてまとめた書類、敷地写真と設計図面一式が必要です。

建築許可等のその他の付随する認可については、
用途変更が認定されてからようやく申請ができるようになります。
まずは、建築士に希望の土地で希望の用途に変更できるのかを調査してもらうことをお勧めします。

日刊サンコラム47:建築の用途変更について