2020年1月23日木曜日

日テレー有吉ゼミ ヒロミリフォーム「ハワイの別荘を作る」


今日はいつもと違った話題をご紹介します。
 
昨年放送されたのですが、
日テレの有吉ゼミの企画で,
 ヒロミさんの別荘のリフォーム番組『ヒロミサーフライダー』の設計を担当しました。

何度もヒロミさんと打ち合わせを重ね、理想の別荘となるよう努めました。
また、番組スタッフはハワイに常駐しているわけではなく(当然ヒロミさんも)
限られたロケスケジュールの中、工事を進行・完成させるのはとてもハードルが高かったです。


石の切断工場にて

とはいえ、番組スタッフの方々も何度も建築の撮影に携わっていることもあり、
ある程度の知識はあり、海外だから日本と異なるという点についても理解を示してくれたことはとても助かりました。
結果として、番組スタッフ、ヒロミさん、現地工務店、現地建築士の私とで一丸となってとても良いモノがつくれたと思います!

計画の最初は妊娠中であった妻でしたが、
完成する頃には無事に生まれ、記念にヒロミさん夫妻に写真を撮ってもらいました。

ヒロミさん、伊代さんと生後二週間の娘
 
当然、私はタレントではありませんので、あくまで裏方として立ち振る舞いましたが、
ほんのわずかに写っているのを観て、
「TVに写ってたね!」と連絡を下さる友人やお客様が多数いらして、
TVの影響力を実感する良い機会となりました。

ハワイの建設事情を少しでもご紹介できたのであれば幸いです。
 三回に分けて放送されましたが、ご興味のある方は仰って頂ければお見せできると思います。

以下、Hiromi Surfriderの完成写真を少しご紹介します。

寝室

オープンウォークインクローゼット

マスターバスルーム

リビングダイニング

リビングダイニング

キッチン

2019年12月4日水曜日

日刊サンコラム61:ハワイに適した日よけ対策

最近一気に涼しくなってきたハワイですが、それでもやはり常夏というだけあり、
日本と比べると年中暖かいです。
建物も日本と同じように建ててしまっては快適な住環境・労働環境を構築することはできません。
今回はどのような日よけ対策をすればハワイで快適な環境をつくることができるのか紹介していきます。

近年流行のガラス張りタワマンは快適か


皆さんご存知の通り、カカアコを中心として現在高層タワーマンションが数多く建設されています。
私のお客様でもご購入された方は何人もいらっしゃるのですが、
セントラルエアコンをつけていれば快適だが、
消して窓を開けるだけだと日中すごく暑いという話を良く耳にします。

本来、皆様ご存知の通りハワイはとても快適な気候に恵まれています。
公園の木陰に座れば涼しい風が吹いてとても気持ちが良いです。
建物の中の方が快適なハズなのですが、なかなかそうもいきません。
近年の高層コンドミニアムは床から天井までガラス張りで、日よけが全くされていないため、
直射日光が部屋に入ってきます。
コーナーユニットであれば良いですが、一面しか窓がなく風通りも悪いと、
日光により徐々に室内が暖められていき、その熱を外に逃がすことができません。
もちろんエアコンをつければ良いのですが、あまりお好きでない方もいらっしゃるかと思います。


カカアコの高層コンドミニアム

直射日光を室内に入れない工夫が必要

日よけというと屋根や庇(ひさし)のイメージが強いと思いますが、
実は方位によっては全く意味がありません。
太陽は東からのぼり、夏場は頭上を通り、冬場は南側から西に降りていきます。
どれほど長い屋根を設置しようと、
東からは朝日が、西からは夕日が真横から室内に入ってきます。
これを防止するには、縦方向のルーバーが最も効果的です。
Punchbowl沿いにあるDepartment of Transportation Servicesの建物がとても良い例です。
西向きに建っておりますが、夕日を遮るように建物全体にルーバーがかかっています。

Department of Transportation Services


また、逆に南側は屋根や庇が非常に効果的です。
上階にラナイを設置することもとても実用的かつ有効的です。
Ala MoanaにあるPark Laneはその点を良く理解した良いコンドミニアムだと思います。
大半の住居が南向きで、ラナイが大きく南側にせり出しており直射日光を防いでいます。

アラモアナのパークレーン

高層コンドミニアムの場合にはデザイン性や景色を重視するため、
日よけ対策を最優先することはなかなか難しいのですが、
一軒家等の低層建築の場合にはわりと簡単な方法で実現することができます。
木陰にいれば日中でもとても快適なハワイですから、
エアコンがなくても快適な住環境を実現することは当然可能ですので、
お悩みの方は建築士に一度相談されてみてはいかがでしょうか。

日刊サンコラム61:ハワイに適した日よけ対策

2019年10月23日水曜日

日刊サンコラム60:最近話題となった巨大住宅について

ローカルニュースをご覧の方は、
今年10月に話題となった超巨大な住宅についてご存知かもしれません。

Houghtailing Street(リリハ地区)で29部屋の寝室、
17個のバスルームを含んだ住宅が大きな問題として取り上げられました。
3階建てのアパートにしか見えないのですが、
建築許可申請上はtwo-family detached dwelling(2軒の戸建て住宅)となっています。
二家族で住むことができる住宅ですが、
一部を貸し出したり切り売りしたりすることは禁じられています。
しかし近隣住民は、本来の用途ではなく違法に複数の家族に貸し出すのではないかと
大いに反対活動をしていました。


ニュースで取り上げられたMonster House

建築基準法を満たしていれば問題はない


こちらの住宅は、家の中の二部屋を倉庫として申請しましたが、
実際の工事では寝室にしてしまったことで違反がありました。
しかし、それはそこまで大きな問題ではなく、
全体としては全くの合法的な建物となります。
 当然建築許可も下りていますし、きちんと正式なプロセスは踏んでいます。
また、同オーナーがカリヒに同様な巨大住宅を建築しました。
6階建てに見えるその住宅は20部屋の寝室、16個のバスルームを含んでいます。
こちらも建築としては特に現在の法律では問題になりません。
あくまで「建築としては」です。
各部屋を別の世帯に貸し出すとなると大きな問題となります。

近隣の景観・環境は損なわれる


巨大な建築が建つとその建物がとても浮いて目立ち、
閑静な住宅街のイメージが損なわれてしまいます。
また、大勢の人が住みだすと交通渋滞を招くだけでなく路上駐車も困難になります。
近隣のイメージダウンとなり、地価が下がるといったことにも繋がりかねません。

ホノルル市もこのような事態を深刻に受け止める一方で、
カイムキ地区などは今後成長していくべき地域として
規制緩和を継続していく方向であるとも明言しています。

今のところ住宅の規模に関する規制は一切ないので、
今後このような住宅が数多く建築されると何らかの規制が引かれる可能性は多いにあります。
ただ、一方では住宅の不足が深刻化するホノルルで街の成長を妨げるような規制は引きたくないという事情もあり、
とても慎重になっているようです。





注:2019年10月現在ではすでに法規制が行われています。
建蔽率の制限やバスルームの数の制限等が出来、このようなモンスターハウスは施工できなくなりました。

2019年10月9日水曜日

日刊サンコラム59:防火対策について


モイリイリのアラワイ運河沿いにあるマルコポーロの火災は
未だ記憶に新しいと思います。
コンドミニアムのスプリンクラーの有無が少し話題にもなったかと思います。
以前は高層コンドミニアムでスプリンクラーが義務付けられておらず
それが原因で被害がかなり拡大されたと考えられています。

また、最新の建築でも一軒家にはスプリンクラーがついていません。
どのような基準でこれらの事柄が決まっているか今回は少しご紹介します。


Construction Typeが各建物により定まっている

 建物の用途と規模によってConstruction Typeというものが決まります。
この区別で必要な防火対策が定まっていきます。
Type I~Vと5つあり、Iが最も厳しくVが緩いです。
建物の規模が大きくなればなるほど様々なリスクや被害が増えるとして、
防火対策を厳重にしなければならなくなります。

高層コンドミニアムは最もハイリスクとして、Iにカテゴライズされます。
建材はすべて不燃性のものでなければならず、
構法も木造は認められない等の制限が出てきます。
一軒家の住宅はVに分類され、駐車場を除きほぼ防火対策をする義務がありません。

基準は人命と近隣


 これらの分類及び防火性能は、
火事が起きた際にその建物の中の人が無事に脱出するまでの
時間稼ぎができるかどうかということと、
近隣に火が燃え移り、被害が拡大しないかどうかといったことが基準となっています。
よって、マンションであれば隣の住居との間に耐火壁が必要となり、
万が一火事になったとしても最低2時間は隣に火が燃え移らないように、
またその間に消火もできるかなどを念頭に設計しなければなりません。
被害エリアが最小限に抑えられれば消火活動も速やかに行うことができます。

あくまで必要最低限の防火対策である


 これらの事柄はアメリカの建築基準法で定まっている必要最低限の防火対策であり、
建築士は一般的にそれ以上の防火対策は行いません。
防火対策は万が一のときにはとても助かりますが、同時にコストがかさみますので、
人命が救助できれば良いという最低限の基準しか満たす義務がありません。
更に対策を万全にされたい方は、
例えば一軒家であってもスプリンクラーをつける等の処置も十分可能ですので、
建築士に一度相談されてみてはいかがでしょうか。




日刊サンコラム59:防火対策について


2019年8月12日月曜日

日刊サンコラム58:WELL Buildingについて

快適な労働環境を構築するために2014年にWELLという認証プログラムが開始されました。

人々は、90%もの時間を建物の中で過ごしています。
その建物の可動性、空気の質、食事、そして職場でのストレスというのは
人々の健康に多大な影響を与えます。
その事実を受け、広義での健康を維持できる建物であるかどうかを検証し、
認証するのがWELLなのです。

建物の認証プログラムというと、
LEEDというものをご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、
LEEDは住環境や地球環境に特化しているので別物ですが、
プロセス等はとても良く似ています。
LEED AP同様、WELLにも専門の資格であるWELL APというものが存在します。

WELLとは何か


主に職場環境の改善を目的としてInternational Well Building Institute (IWBI)という機関が始めた制度です。
医師や科学者等の専門家を交え、建物のデザイン、環境、健康、行動について
7年以上にもわたって研究されて、7つのカテゴリーに分けて分析されました。
そのカテゴリーはAir(空気)、Water(水)、 Nourishment(栄養)、Light(光)、
Fitness(運動)Comfort(快適性)そしてMind(精神)となります。

WELLの種類


認証プログラムは三種類に分かれており、
新築及び既存の建物、新築及び既存の内装、そしてコアシェル構造になります。
要件を満たすごとにポイントを得ることができ、
一定以上になるとシルバー、ゴールド、プラチナと高いランクの認証を受けることができます。
Well Buildingの認証の種類


何のためのプログラムか


こういった認証プログラムは、設計者にとって多大な負担になります。
100個近い要件をそれぞれ見直し、
一つでも多く得られるように検証及びデザイン変更を何度も何度も繰り返す必要があります。
そのため、設計料も高くなります。

ただ、このプロセスこそがこのプログラムの本質です。
デザインや利便性、効率のみに着目して設計するのではなく、
建物で働く労働者の環境や健康を考え、
デザインを改善していくことで労働者が健康になり、
仕事の効率が上がり、業績も向上することを目的としています。

また、会社がWELLの認定を受けているということで、
その会社は従業員の健康を重んじているとしてイメージアップにも繋がることが予想されます。
まだまだ発足して間もない制度ですが、
だからこそ会社のブランドイメージ向上も兼ねて一足先に採用してみてはいかがでしょうか。
日刊サンコラム58:WELL Buildingについて

2019年7月29日月曜日

日刊サンコラム57:侵食・土砂管理についての新しい法令が施行

今年(2018年)8月よりホノルル市では建築許可申請の際に
新たにErosion and Sediment Control Planというものが必要になりました。
新たな制度の意義や、今後建築を改修・増築・新築する際に
どのように影響を及ぼすのか簡単にご説明致します。

土砂が流れないように計画・監視が必要


本制度は工事中及び工事後に敷地内の土が外に(下水に)流れていかないように計画し、
有資格者が工事中は計画通りに遂行されているか
30日に1回観察及び記録をしなければならなくなりました。

基礎を打つ際に敷地の土を掘り起こしますが、
その土をそのまま放置していると雨風で舞ってしまい、
道路や近隣に流れていってしまいます。
そのようなことを防ぐために、きちんと土は敷地内にとどまるようにフェンスを立てたり、
カバーをしたり、植栽を植えて安定させたりする必要があります。
Erosion Control

土壌に少しでも触れるような工事はすべて必要*


室内のみの改築以外はすべて影響すると考えて問題ないと思います。
フェンスを立てるだけでも、柱を一本追加するだけでも本制度は適用されます。
低いフェンスの設置や小規模なランドスケープを施す場合等、
建築許可が必要ないようなほんの小さな工事でも土砂管理の計画をしなければなりません。
基本的に建築士がすべて行う業務となりますが、
1 acreを超えるような大規模な土壌改善となると土木技師が行う必要がでてきます。
かなり手間のかかる作業となりますので、
今後の設計料は少し値段が上がることが予想されます。


*2019年3月より変更され、120sqft未満の工事であれば免除されることになりました


環境を考えると非常に大事


ハワイの建築はただでさえとても高いのに、
さらにお金も手間もかかる制度が追加されました。

ただ、これは環境問題を考えるととても有意義な制度です。
ハワイに大雨が降ると大量の土砂が海に流れてしまい、
空から見ると島の周り全体が茶色く濁るそうです。


この土砂には車のオイルや薬品等、様々な汚染物質が含まれており、
それらが海に流れ出てしまうことによる環境汚染は計り知れません
土砂を下水や海に流さないことによって海をキレイなままで保てことは
長期的な視線で見るととても有意義な制度だと思います。



日刊サンコラム57:侵食・土砂管理についての新しい法令が施行

2019年6月21日金曜日

日刊サンコラム56:建築許可にかかる所要時間について

建物を新築、増減築、改築する際に不可欠な過程であり、
かつ大きなネックとなりうる建築許可を取得するまでの所要時間についてご紹介します。
ホノルル市役所は深刻な人員不足に直面しており、
認可が下りるまでに非常に時間がかかってしまいます。

建築許可

まだお金が貯まっていないから1年貯めて来年から計画しよう…と考えていると、
完成するのは今から3年後ということにもなりかねません。
とても長いプロセスですので、予め知っておくと無駄な時間を過ごすことなく計画的に行動することができるでしょう。

新築か改築か、また商業施設かで大きく異なる


建築の規模でももちろん認可が下りるまでの所要時間は変わるのですが、
新築なのか改築(増減築)なのか、
また住宅なのか商業施設かでも大きく変わってきます。
まず最短は住宅の改築です。
時期にもよりますが、1~4ヶ月程度でおりる場合がほとんどです。
その間にコントラクターを探したり、冷蔵庫や洗濯機を探したりできるので、
期間的にもちょうど良い具合になります。

ただ、改築であっても商業施設の場合は別です。
役所内では住宅と別のルートを辿ることになるので、
特に何も問題がなかった場合で半年ぐらいは覚悟した方が良いです。

ちなみに、商業施設というのはレストランやリテール、オフィスはもちろんですが、
3軒以上の繋がった住宅も該当します。
よって、アパートやコンドミニアムの改築も含まれるということなので注意が必要です。

コンドミニアムも商業施設扱い


新築の場合、ホノルル市ではePlanというオンラインのシステムを利用しなければなりません。
紙面ベースではなくコンピュータを用いた許可申請プロセスのため、
そのシステムを利用できる役人が少ないのか、非常に時間がかかります。
こちらは今現在最低でも1年はかかると思っていただいた方が良いと思います。
そんなに待てないという方は、
Third Party Reviewerと呼ばれる民間の認可を受けた企業に別料金でレビューをしてもらい、
期間を短縮することができます。

Neighborhood、AOAOの認可も必要

コンドミニアムであれば、その管理者からの認可も必要となり、
認可がおりなければ着工することができません。
また、ワイキキやダイアモンドヘッド、チャイナタウンといったSpecial Design District内の物件では、
外観のデザインレビューが通常の建築許可に加えて行われるため、
通常よりも時間と手間がかかってしまいます。

建築許可が下りる前に工事をすることは可能*

ホノルル市もあまりに許可に時間がかかることは良く理解しており、
その打開策として許可が下りる前に工事をすることを認めています。
早めに工事を始めたければCourtesy inspectionというものを申請し、
認可されれば許可が下りずとも工事をし、
工事途中で行われなければならないInspection(検査)も受けることができます。  
*2019年1月よりこちらの制度についてはなくなってしまいました。
すべての工事において建築許可がおりてからでないと行うことはできません。

一般的な例を挙げましたが、建築は個々に大きくことなりますので、
具体的なことはきちんと建築士までご相談下さい。

日刊サンコラム56:建築許可にかかる所要時間について