2016年3月23日水曜日

日刊サンコラム17:工務店(コントラクター)について



建築物を建てるとき、改修するとき、また増減築するときには、
まず建築士を雇い図面を完成させ、市に建築許可を得て、
工務店(コントラクター)に工事をしてもらうというのが一般的な流れです。

今日は工務店について少しお話したいと思います。

工務店は免許が必要



建築士が免許を取得する必要があるように、工務店もまた工務店の免許が必要です。
州から認可されていない工務店を利用した場合、
数多くのリスクを抱えることになります。

例えば、無免許の工務店の従業員が工事中に怪我した場合は保険が適用されず、
大本の雇用主となる施主がすべて賠償しなければならない可能性があります。
アメリカの医療費は高額ですので、
最悪数億円規模の賠償金が発生するということにもなりかねません。

建築許可を受け取る際には免許が必要なので、
無免許であったことを施主が知らなかったということはまずありえませんが、
免許があるのかどうかを知っておくだけでもリスクを回避できるので、
念のために確認するとよいでしょう。

免許が必要ない場合とは


工事をする以上、免許を保有する工務店にお願いする必要があると考えて頂いて
概ね間違いはありませんが、一応例外もありますのでご紹介します。

一つは工費が$1,000未満の場合です。
このような小さな工事の場合には、
例外的に工務店の免許がないようなハンディーマンでも行うことが認められています。
ただ、$1,000未満であっても電気や水道に関わる工事が含まれている場合には
認められないので注意が必要です。
壁を一つ追加するだけの場合や、窓を新たに開ける等の工事にこの例外は適用されます。

もう一つの例外は、施主自らが工務店として動く場合です。
自分の家なのですから、自分で建てることは認められています。
その場合には、owner-builder permitを取得すれば出来ます。
無免許の工務店の場合には、こちらの制度を悪用して工事をするケースが
多いようですのでご注意下さい。

また、施主が工務店として動く場合には、工務店の免許は必要ありませんが、
それでも電気と水道の工事には個々の免許保有者が工事をする必要があります。
さらに、建物が完成してから1年間は売ったり貸したりすることが
禁じられているというのも知っておくとよい条件といえるでしょう。

日刊サン 2015年12月30日掲載


2016年3月3日木曜日

日刊サンコラム16:一軒家の決まりごと2

前回、一軒家を建てる際の注意点として一軒家には
一家族しか住むことを認められていないという話をご紹介しました。
今回はその話をもう少し掘り下げ、ゾーニングの話をしたいと思います。

ゾーニングとは


ホノルルのゾーニングマップ 


ゾーニングとはホノルル市及びハワイ州が定めている土地の用途区分です。
例えば、住宅街の真ん中にナイトクラブや、工場が出来たら困りますよね。
毎晩騒音や空気汚染に悩まされることになってしまいます。

そのようなことを避けるために、地域別に建物の用途を制限しているのがゾーニングです。
ゾーニングは大まかに建物の用途や建物の高さ及び密度を制限します。

住宅街のゾーニング


住宅街のゾーニングは最も厳しいものになっています。
妨げなく就寝できるよう、最も静かな環境を守る必要があるからです。

この住宅街のゾーニングは、R3.5、R5、R7.5、R10、R20とあります。
RはResidentialを意味しています。後ろの数字は敷地の最低面積を表しています。
R5であれば、5,000 sqft(平方フィート)以上の敷地でなければならないという意味です。
ただ、5,000 sqftよりも多少小さい敷地もすでに存在している場合には特に問題ではありません。
ここで、もしR5のゾーニングで10,000 sqftもの土地を所有しているとすると、
規定の倍の広さとなりますので、同じ敷地に2軒の家を建てることができ、
個々の家に合法的にキッチンやランドリーを設置することができます。

基本的には上記のような考え方なのですが、その他にもいくつか制限があり、
同じ敷地内において複数軒の家を建てることができない場合もありますので、
まずは建築士に相談をしてみることをお勧めします。

ゾーニングの変更


市や州がゾーニングを変更することは決して珍しいことではありません。
したがって、所有している土地のゾーニングが変更すれば、
建設できる範囲やその種類なども変わってきます。

例えば80年代中盤頃に、海岸沿いのセットバックは40フィートと定められ、
海岸沿線から40フィートのところまで建物を建設することができなくなりました。
その変更以前に建てられた建物で、40フィートより海岸に近い建物はたくさんありますが、
それらは合法になります。

このように、ゾーニングが変更された場合には、
通常それ以前の建物は現状維持を認められますが、
建て直しはもちろん、改築や増築・減築の際に、
新しい法律が適用されるケースもありますので十分に注意が必要です。