2019年12月4日水曜日

日刊サンコラム61:ハワイに適した日よけ対策

最近一気に涼しくなってきたハワイですが、それでもやはり常夏というだけあり、
日本と比べると年中暖かいです。
建物も日本と同じように建ててしまっては快適な住環境・労働環境を構築することはできません。
今回はどのような日よけ対策をすればハワイで快適な環境をつくることができるのか紹介していきます。

近年流行のガラス張りタワマンは快適か


皆さんご存知の通り、カカアコを中心として現在高層タワーマンションが数多く建設されています。
私のお客様でもご購入された方は何人もいらっしゃるのですが、
セントラルエアコンをつけていれば快適だが、
消して窓を開けるだけだと日中すごく暑いという話を良く耳にします。

本来、皆様ご存知の通りハワイはとても快適な気候に恵まれています。
公園の木陰に座れば涼しい風が吹いてとても気持ちが良いです。
建物の中の方が快適なハズなのですが、なかなかそうもいきません。
近年の高層コンドミニアムは床から天井までガラス張りで、日よけが全くされていないため、
直射日光が部屋に入ってきます。
コーナーユニットであれば良いですが、一面しか窓がなく風通りも悪いと、
日光により徐々に室内が暖められていき、その熱を外に逃がすことができません。
もちろんエアコンをつければ良いのですが、あまりお好きでない方もいらっしゃるかと思います。


カカアコの高層コンドミニアム

直射日光を室内に入れない工夫が必要

日よけというと屋根や庇(ひさし)のイメージが強いと思いますが、
実は方位によっては全く意味がありません。
太陽は東からのぼり、夏場は頭上を通り、冬場は南側から西に降りていきます。
どれほど長い屋根を設置しようと、
東からは朝日が、西からは夕日が真横から室内に入ってきます。
これを防止するには、縦方向のルーバーが最も効果的です。
Punchbowl沿いにあるDepartment of Transportation Servicesの建物がとても良い例です。
西向きに建っておりますが、夕日を遮るように建物全体にルーバーがかかっています。

Department of Transportation Services


また、逆に南側は屋根や庇が非常に効果的です。
上階にラナイを設置することもとても実用的かつ有効的です。
Ala MoanaにあるPark Laneはその点を良く理解した良いコンドミニアムだと思います。
大半の住居が南向きで、ラナイが大きく南側にせり出しており直射日光を防いでいます。

アラモアナのパークレーン

高層コンドミニアムの場合にはデザイン性や景色を重視するため、
日よけ対策を最優先することはなかなか難しいのですが、
一軒家等の低層建築の場合にはわりと簡単な方法で実現することができます。
木陰にいれば日中でもとても快適なハワイですから、
エアコンがなくても快適な住環境を実現することは当然可能ですので、
お悩みの方は建築士に一度相談されてみてはいかがでしょうか。

日刊サンコラム61:ハワイに適した日よけ対策

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