2015年11月16日月曜日

日刊サンコラム11:デザインビルドとは?

デザインビルドとは?


前回は、一般的な建築士の役割についてご紹介しました。
施主は建築士を選定し、契約をします。
建築士は別途各種エンジニアと契約を結びコンサルタントとします。
工務店(コントラクター)については、別途施主が契約をします。

工務店と建築士は独立しているため、
図面がすべて出来上がってからでないと最終的な工事の見積もりは出ないという話をしました。
ただ、それでは困る場合が多々あるので、
そういった場合のために編み出された手法を「デザインビルド」と呼びます。

工務店と建築士が一体となる


デザインビルドでは、建築士と工務店が一体となります。
施主との契約も建築士・工務店合わせて一つしか交わされません。

通常の手法では、施工図面がすべて完成してから工務店が選定されますが、
デザインビルドではプロジェクトの最初から工務店が関わってきます。
そのことにより、設計の途中段階でも正確な見積もりがとれる上に、
デザインを選定する際に正確な金額の差を考慮に入れて決めていくことができます。
さらには、仕入れや施工に時間のかかるようなもの(レストランのキッチン周り等)は
設計の途中段階で始めてしまうことで、工期を大幅に短縮することが可能になります。

デザイビルドと通常のやり方の違い
デザインビルドと従来の方法の工期の違い

非常に効率的で、かつ無駄な予算をかける必要がなくなる可能性が高いため、
近年米国では急速に広がりつつある手法です。

デザインビルドに欠点はないのか?


一般的な手法よりも優れている点が多いように聞こえますが、
それならばなぜすべてのプロジェクトに採用しないのでしょうか。

それは、工費があがってしまう傾向があるからです。
前の段落と矛盾していると思われるかもしれませんが、
最初から工務店を選定することで、工務店同士の競争相手がいなくなるため、
出来る限り予算を下げて仕事をとろうとする姿勢はなくなってしまいます。

また、設計段階から工務店が打ち合わせに出席したり、見積もりを何度もとったりと、
こなさなければならない仕事量が増えるため、どうしても費用がかかってしまいます。

どういったプロジェクトに向いているのか


ほとんどの場合、施工費は出来る限り安く済ませたいでしょう。
そのような場合には従来の一般的な手法の方が向いています。

投資・借り入れなどの理由により、予算を完全にコントロールする必要がある場合や、
多少のお金よりも工期短縮を優先する場合に向いています。
大規模な建物ほど一ヶ月でも早く完成させることができれば、
多少の施工費の増減など簡単にペイオフできることが多いためです。

来週はさらに工期を短縮できるファーストトラックという手法についてご紹介致します。


日刊サンコラム11:デザインビルドとは
日刊サン 2015年10月7日掲載

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