建築士としてよく質問を受けるのが建築許可についてです。
どういった工事に必要でどういうプロセスなのか疑問に思う方が多いようです。
建築許可申請書 |
まず、カーペットをフローリングにしたり、外壁や屋根の修復をする時、
建物の補習や仕上げのやり直しだけであれば必要ありません。
建築許可が必要になってくるのは、上記以外のケースはほぼすべてといえるでしょう。
壁を新たに追加、解体する場合や外にデッキを建設する場合、
また外構にフェンスを建てるだけでもほとんどのケースで許可を申請しなければいけません。
それは建物の種類は問わず、あらゆる建築物に該当されます。
一戸建ての住宅はもちろん、レストラン等の商業施設、
アパートやコンドミニアムの一室の改築であっても、
許可なく工事をすることは違法行為となるので注意が必要です。
もし許可なく工事をしてしまい、そのことが発覚すれば、
工事は全面的に中断させられます。
工務店(コントラクター)は新たに建築許可がおりるまで待機せねばならず、
その分の追加料金を請求させられることも多いようです。
また、こっそりと工事ができたとしても不動産の売却の際に問題となることが多いです。
もちろん、建築に置いて最も大切なことは、安全性です。
住む人が事故や不具合の心配をせず、安心して暮らせる建物をつくるという面でも、
正式な許可をとることは重要なのです。小さな工事であっても正しいプロセスを踏んで、
不必要なリスクを回避することができるのです。
さて、ではどうすれば建築許可がとれるのかということですが、
完成した施工図面(construction drawings)と申請料が必要となります。
申請料は工費によって変動し、プロジェクトの規模に比例します。
(参考のために$100,000の工費ですと、申請料が$1,560で審査料$312となります。)
施工図面については、必要な図面が揃っていれば良いというわけではなく、
ハワイ州で免許をもっている建築士に描いてもらう必要があります。
複雑な工事であれば構造、電気、機械、造園等のエンジニアにも描いてもらう必要があります。
個々に専門的なものとなりますが、
建築士を通して各エンジニアが連携をとり各種図面を揃えます。
また、入札から工事完了までの工務店とのやりとりも委任する形となります。
高額な投資ですので、必要なところを倹約しようとして大きな損害を被らないようくれぐれも気をつけましょう。
日刊サン 2015年5月13日号掲載 |
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