2015年9月23日水曜日

日刊サンコラム3:LEEDという環境負荷認証制度について

環境というものを考える

「環境」というとどういったものを思い浮かべるでしょうか。

住環境、職場環境、地域環境、地球環境と色々ありますが、
建築学でいう環境とは、
「私達をとりまくモノが生み出す空間が与える影響」のことであると言えると思います。

漠然としすぎていてわかりづらいかもしれませんが、
実際、「環境」というのは小さなものが広範囲に渡って影響するものなのです。

例えば住宅の建材一つをとってみても、
住居者に与える影響は見た目、香り、手触り、光の反射、断熱性等多数あり、住環境を左右します。
外壁であれば、近隣に住む人や、通行者へ与える印象に影響を与え、近隣環境が変化します。
また、その建材を作るときに要したエネルギーや資源、運搬時に使った化石燃料、
さらには取り壊した後に廃材として残るゴミや、
そのゴミを燃焼したときに生じる大気汚染といったように地球環境にも影響します。

これらの様々な「環境」はすべて重要な事柄であり、建物が建てられる時から、
利用され、取り壊されるまでを総括的に考えることが大切です。

ただ、それには膨大な知識とリサーチを要してしまいます。
そこでガイドラインとなるような指標を用いれば、
比較的短時間で「良い環境作り」ができる建築を設計することも可能になるのです。

環境負荷の指標

指標となるものはいくつかありますが、
日本であればCASBEE(建築環境総合性能評価システム)が用いられ、
アメリカではLEED (Leadership in Energy and Environmental Design)が主流です。

USGBC LEED
LEEDのロゴ

LEEDの指標項目は以下のとおりです。

1.立地の持続可能性・交通の便
2.節水性
3.省エネ(再生可能エネルギー)と大気汚染
4.建材の再利用性
5.室内環境の快適性
6.革新性と特別な設計プロセス 

と大きく分かれています。

地球環境を考慮したものが大半ですが、室内環境等も重んじている点が特徴です。

例えば、シックハウス症候群対策として、
揮発性有機化合物(VOC)を含まない塗料や接着剤を使用することを推奨しています。
評価対象は新築建築物・既存建築物の保全と運営・商業施設の内装・住宅・都市開発と
色々ありますが、各項目の評価ポイントの内訳は評価対象先によって異なります。

LEEDの評価方法

LEEDの認定は点数方式で評価されており、
点数が高い順にプラチナ、ゴールド、シルバー、認定といったように格付けされます。
LEEDが定める環境負荷の指標をより多く満たしていればいるほど
高い評価を受けることができます。

ハワイでLEED認定された建築

ハワイでも数多くの建築物がLEED認定されています。
Punahou Schoolの Omidyarはプラチナを取得しており、
ワイキキにあるHard Rock Cafeはシルバーを取得していたりと、意外と身近な存在です。

その他オフィスや住宅など多岐に渡って数多くハワイでは認定された建物が存在します。

水道光熱費の削減はもちろん、生産性の向上も数多くの論文で立証されており、
LEEDの認定を受けることで資産価値の増大も期待できます。


WaikikiのHard Rock Cafe
LEED シルバーを取得したWaikikiのHard Rock Cafe

どうすれば認定されるのか

LEEDの認定を受けるためには、計画の初期段階から建築士に相談する必要があります。
新築の場合には、敷地を決める前から相談することがベターです。

また、LEEDの認定を受けたLEED AP(LEED Accredited Professional)の
資格を持つ建築士に相談できれば、更に詳しいアドバイスを受けられるでしょう。
「環境」に興味のある方は、一度相談をされてみてはいかがでしょうか。

日刊サンコラム3:LEEDという環境負荷認証制度について
日刊サン 2015年6月17日掲載



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