10月8日~10月21日の2週間ほど滞在してきました。
初めてのロンドン
ヨーロッパには去年も旅行で行き、十代の頃にも一度行きましたが、
イギリスには一度も足を踏み入れたことはなく、とても楽しみにしていました。
行く前の印象では、食べ物は美味しくない、物価は高い、いつもどんより曇っている
と悪いイメージが多かったですが、今回の旅ですべて払拭されました。
いや、物価が高いのだけは事実かもしれません。。
ホテルもお世辞にも立派とは言えないようなところが5つ星で、一泊7万円近くしました。
アメリカ基準だと2つ星ぐらいのところです。
ただ、食べ物はとっても美味しかったです。
妻が事前にレストランをリサーチ(主にTripAdvisor)でしてくれたのも大きかったと思いますが、
何料理を食べても軒並み美味しかったです。
そんな普通の旅行記みたいな話はこの辺にして…
一応建築ブログなので、建築の話をメインにご紹介していきたいと思います。
ロンドン建築
せっかくロンドンまで来たのですから、ベタな観光は一応しました。
ロンドン塔やタワーブリッジは当然一通り見てまわり。。
タワーブリッジ |
夕方にはミレニアム記念事業により建設されたロンドン・アイにのってみたり。
ロンドン・アイ |
一通り、俗に言う「観光地」は観てまわり、人並み以上に感動してきました。
ウェストミンスター/ビッグベン |
アールヌーヴォーやバウハウスなんかも好きですが、イギリスにはほぼないので今回は割愛。
ロンドンの現代建築
まず、ほとんどの観光客が行かないであろうロンドン市庁舎。
ロンドン市庁舎全貌 |
ロンドン市庁舎エントランス |
こちらはタワーブリッジのすぐ側にあるので、
時間がある方はお立ち寄りされることをお勧めします。
ノーマン・フォスターが設計した近代建築で、ヤドカリのような形をしています。
これは、表面積を極力小さくすることで、エネルギー効率が上げられるのではないか
という実験的な目論見を基に設計されたと言われています。
実際、エネルギー効率を測定してみると、あまり良い結果が出なかったのが残念ですが…。
その他にも近代・現代建築はロンドンにたくさんあります。
スイス・リ本社ビルも歴史的な建物と共存して建っている様子がいかにもロンドンらしくて素敵です。
イタリアなんかではなかなかこういった光景はお目にかかれません。
スイス・リ本社 |
また、200m超の超高層ビルも街中に建っています。
こちらはRogers Stirk Harbour + Partnersによる設計で、
真下から見上げた姿は圧巻です。
周囲と比べてもズバ抜けて高いので、よく目立ちランドマークとなっています。
Leadenhall Building |
ですが!今回のメインはこれではありません。
もちろん好みによると思いますが、
私はリチャード・ロジャーズ設計のロイズがとっても見たかったのです。
こちらも実験的な要素が強い建築です。
こういったコンセプトが明確で挑戦的なものが大好きです。
こちらのコンセプトはパリにあるポンピドゥセンターと同様で、
通常隠してしまう配管などを前面に押し出してしまったらどうかという試みです。
これにはいくつかの狙いがあります。
まず、大きなところとしては、機能美です。
配管がたくさん立ち並び複雑なファサードをしていますが、
どの建材をとっても必要なものばかりで構成されております。
どのように建物が機能しているのかということを見せることにより、
美しいIndustrialなファサードを表現しています。
また、機械設備というのは最も耐用年数が短い建材です。
よって、他の建材に比べて頻繁に修理や交換が必要になってくるのですが、
外に出ていることにより、それらの作業がしやすくなるという狙いもあります。
ただ、現実的には、外に露出することで経年劣化を早めてしまい、
イニシャルコストもランニングコストも通常より高くなってしまうため、
この後、あまり建築のトレンドとして流行することはありませんでした。
これはとても残念な事実でありますが、
だからこそ、このロイズは試験的に試したとっても貴重な建物の一つであるわけです。
また、実際に見て初めて気づいたのですが、
デザインが黒川紀章氏による中銀カプセルタワービルを思わせました。
中銀カプセルタワービル |
4枚目の写真なんかちょっと…。。
気のせいですかね。
こちらも同じく実験的な有名な建築物なので、共通認識があればおもしろいですね。