2016年7月19日火曜日

日刊サンコラム22:特別区域について2-カカアコ編

先週から特別区域(Special Districts)についてご紹介しております。
特別区域とは都市計画の一環です。
利用者にとって快適かつ便利な街並みを推奨したり、歴史や文化を継承させたり、
色やデザインについて制限をかけ、街全体に統一感を出したりすることで、
街全体の価値をあげることを目的としています。

ハワイには8つの特別区域が制定されており、
今回はカカアコ地区についてお話しさせていただきます。

カカアコ特別区域

カカアコの高層ビル群

高層コンドミニアムが何十軒も開発されていることで最近何かと話題のカカアコ地区。
ラグジュアリーな新開発都市のイメージがあるかもしれませんが、
住宅(residential)・商業(commercial)・工業(industrial)地区が混在するおもしろいエリアです。

この区域での都市計画は、単純に高級住宅街にするのではなく、
これら3つの用途を個々に守りながら、またそれぞれを発展させたいという意図があります。
様々な用途をコンパクトな区域におさめることで、歩行者に優しい魅力的な街を目指しつつ、
美しい景観を保つために厳密な規制も多々設けられています。

例えば植栽についてですが、Punchbowl Streetではモンキーポッドという木を
最大80 feet(約80m)間隔ごとに植えなければならない等、
主要な道はすべて細かく指定されています。

エアコンの室外機や換気扇、駐車場等、あまり景観として美しくないものに関しては、
植栽もしくはルーバー(羽板)などで隠すことも義務付けられています。
ワイキキのように建築的デザインの制約はありませんが、
カカアコという街をみんなで使いやすく、また美しくしようという試みです。

LEED NDの認定


これらの特別区域にデベロッパーのThe Howard Hughes Corporation®も賛同してか、
60エーカー(24万平米)ものエリアを環境に優しい地区として、
LEED ND(Neighborhood Development)という認定制度の最も厳しいプラチナに申請しています。
便利で美しく、しかも環境に優しい街並みになれば、住民や近隣のビジネスはもちろん、
地価の向上により投資家にも多大な好影響が期待できるのではないでしょうか。

日刊サン 2016年3月16日掲載

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